現代野球と薬物問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 10:31 UTC 版)
「メジャーリーグベースボール」の記事における「現代野球と薬物問題」の解説
詳細は「戦力均衡策」の項および「MLBのドーピング問題」を参照 1994年、サラリーキャップ制度導入を巡って経営者側と選手会側が対立し、シーズン最中の8月から翌1995年4月にかけてMLB史上最長のストライキが発生。ストライキは232日間にわたり、1994年のワールドシリーズも中止された。選手会との協議の結果サラリーキャップ制度の導入は見送られたが、選手の報酬総額が相対的に高い球団に対する課徴金制度(ぜいたく税)が導入された。このストライキで一時大規模なファン離れが生じる結果となってしまった。 1995年、ドジャースに野茂英雄が入団。マイナー契約(40人枠外での契約)であったが5月にMLBへ昇格し、デビューすると13勝と活躍し新人王を獲得した。この日本人の活躍は国外の市場を開拓する契機となり、のちに多くの海外出身選手がメジャーデビューした。1997年、MLB以外のプロスポーツリーグでは積極的に行われてきたインターリーグを導入。これまでサブウェイ・シリーズのニューヨーク・ヤンキース対ニューヨーク・メッツに代表される同都市にあるチーム同士の対戦はワールドシリーズでしかかなわなかったため、好カードがレギュラーシーズンで見られるとあってファンには好評価であった。 1998年のマーク・マグワイアとサミー・ソーサによるシーズン最多本塁打記録争いなどで盛り上がり、観客数もスト前の水準に回復した。1990年代後半から2000年代前半に本塁打量産ブームが起き、2001年にはバリー・ボンズが73本塁打を放ち、現在のシーズン本塁打記録を樹立した。しかし2007年12月13日に発表されたミッチェル報告書と呼ばれる報告書では89人の実名が挙げられ、その中にはバリー・ボンズ、アレックス・ロドリゲス、マニー・ラミレス、マーク・マグワイア、ラファエル・パルメイロ、ジェイソン・ジアンビ、ホセ・カンセコら多くのMLBを代表する強打者がアナボリックステロイドを使用していたことが後に判明した。 強打者が増えてくる中、投手は打者のパワーに対抗するため、様々な球種を開発する必要があった。ジャイロボールのような新しい球種は、力のバランスを守備側に戻すことができた。1950年代から1960年代のスライダーや1970年代から1990年代のスプリットフィンガーファストボールなどの球種で野球の試合が変わった。1990年代にはチェンジアップが復活し、トレバー・ホフマン、グレッグ・マダックス、ジェイミー・モイヤー、トム・グラビン、ヨハン・サンタナ、ペドロ・マルティネス、ティム・リンスカムなどの投手によって巧みに投げられた。近年、リンスカム、ジョナサン・サンチェス、ウバルド・ヒメネスなどの投手はスプリットの握りでチェンジアップを投げる、「スプリット・チェンジ」を投げるようになった。 2008年にビデオ判定が導入され、2014年からはその範囲が拡大されチャレンジ方式が採用された。
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