現代の主な為替政策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 15:09 UTC 版)
政府や中央銀行などの通貨当局は外国為替市場に介入して当該国家の為替レートに影響を与えることができる(為替介入)が、中央銀行による介入が最も影響力が強い。中央銀行以外の介入は当該国の通貨流通量を劇的に変化させないからである。固定相場制において為替介入や固定相場レートの変更などで、為替相場の水準が人為的に変更された場合は、自通貨が増価した場合を切り上げ (revaluation)、減価した場合を切り下げ (devaluation) と呼ぶ。 為替レートのうち、国際的な金融取引や貿易の決済に利用されることが多い米ドルとの為替レートは最も重要視されている。 基準となる通貨とその相手通貨との関係には、変動相場制と固定相場制の2通りの方式が存在する。先進国の通貨の多くは主に変動相場制を採用しており、需要と供給の関係で日々異なる比率で取引される。 一方、特定の通貨との間で為替レートを一定に保つことを「ペッグ」と呼び、米ドルとの固定相場制を維持することは「ドルペッグ」と呼ばれる。途上国は米ドルとの間で固定相場制を維持する「ドルペッグ」をする傾向が強かったが、近年、東南アジアなど一部の国においては通貨危機への対応を迫られた結果、相次いで変動相場制へ移行した(アジア通貨危機を参照)。また、貿易による経済規模の拡大や米ドルの下落などを受けて固定相場制の維持が難しくなってきた中国や中東諸国などでは通貨バスケットへのペッグに切り替える、または切り替えようとする動きが見られる。 欧州では、諸通貨間のレート変動を次第に抑制するとともに、中央銀行業務を欧州中央銀行 (ECB) に統合する、各国政府が協調して一定の財政規律を確保するといった施策により、紆余曲折を経て域内での為替政策の統一を実現し、共通通貨ユーロを誕生させた。ユーロは国境を越える最も強力な固定相場制を実現したことになるが、これは単なる通貨ペッグではなく、経済政策の統一による単一通貨の制定という背景を伴っている。 同じく欧州のスイスではスイス中央銀行が、世界金融危機 (2007年-)以降で欧州とりわけユーロ圏の経済情勢が悪化しているために比較的安全なスイスフランへ逃避資金が流れ込みスイスフランが急騰している状況に対応するため、1ユーロ=1.2スイスフランという防衛ラインを設定し、その水準以上にスイスフラン高になった場合には無制限に外貨を購入しスイスフラン安誘導する決定を2011年9月に下した。スイス中央銀行は大規模かつ継続的フラン安にするよう取り組んでいくとしている。
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現代の主な為替政策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 09:29 UTC 版)
「為替レート#現代の主な為替政策」も参照 為替レートのうち、国際的な金融取引や貿易の決済に利用されることが多いアメリカドル(米ドル)との為替レートは最も重要視されている。2007年には1米ドルは95円 - 125円の比率で交換されていた。日本の為替レートの変遷は円を参照のこと。
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