現宮城県
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 15:37 UTC 版)
阿武隈川(あぶくまがわ): 岩沼市と亘理町の境を流れる川。阿武隈に 霧立ちくもり 明けぬとも 君をばやらじ 待てばすべなし(『古今和歌集』、東歌) 名取川(なとりがわ): 名取市と仙台市の境を流れる川。名取川 瀬々のむもれ木 あらはれば いかにせむとか あひ見そめけむ(『古今和歌集』、よみ人知らず) 広瀬川(ひろせがわ): 仙台市を流れる川。ひろせ川 渡りの堰の 澪しるし みかさそふらし 五月雨の比(西行) 玉田横野(たまだよこの): 仙台市の北仙台駅辺りから東照宮駅東方までの仙山線沿線の平地(仙台上町段丘の北側にある同段丘より低い段丘面)。とりつなげ 玉田横野の はなれ駒 つつじの岡に あせみ咲くなり(『散木奇歌集』、源俊頼) 躑躅岡(つつじがおか):仙台市宮城野区(ツツジの名所)。陸奥の 榴ヶ岡の くまつづら 辛しと妹を けふぞ知りぬる(『古今和歌六帖』、藤原仲平) 宮城野(みやぎの):仙台市宮城野区(ハギの名所)。宮城野の 本荒の小萩 露を重み 風を待つごと 君をこそまて(『古今和歌集』、よみ人しらず) おもわくの橋:多賀城市にある野田の玉川に架かる橋。踏まま憂き 紅葉の錦 散り敷きて 人も通はぬ おもわくの橋(『山家集』、西行) 浮島:多賀城市。陸奥は 世を浮島も ありと云ふを 関こゆるぎの 急がざらなん(『小町集』、小野小町) 野田の入江:多賀城市。朽ちのこる 野田の入江の ひとつばし 心細くも 身ぞふりにける(『夫木和歌抄』) 末の松山:多賀城市。契りきな かた身に袖を しぼりつゝ 末の松山 浪越さじとは(『後拾遺和歌集』、清原元輔) 壺の碑:多賀城市。青森県の南部壺碑説もある。みちのくの 奥ゆかしくぞ おもほゆる つぼのいしぶみ そとの浜風(『山家集』、西行) 興井(おきのい)、沖の石(おきのいし):多賀城市。我が袖は 潮干に見えぬ 沖の石の 人こそ知らめ 乾く間もなし(『千載和歌集』、二条院讃岐) 塩竈(しおがま・しほがま): 塩竈市。塩釜に いつか来にけむ 朝なぎに 釣する舟は ここによらなむ(『伊勢物語』) 雄島(をじま): 松島町。見せばやな 雄島のあまの 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色は変わらず(『千載和歌集』、殷富門院大輔) 松島(まつしま): 松島町ほか。たよりある 風もやふくと 松島に よせて久しき 海人のつりぶね(清少納言) 朽木橋(くちぎばし): 大崎市小野[要曖昧さ回避]の化女沼入り口付近。逢ふ事は 朽木の橋の 絶え絶えに かよふばかりの 道だにもなし(『風雅和歌集』、藤原朝定) 緒絶橋(おだえのはし): 大崎市の緒絶川(おだえがわ)に架かる橋。みちのくの 緒絶の橋や これならん ふみみふまずみ 心まどはす(『後拾遺和歌集』、藤原道雅) 姉歯の松(あねはのまつ): 栗原市。栗原の あねはの松の 人ならば 都のつとに いざといはましを(『伊勢物語』)
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