特異的抗体とは? わかりやすく解説

特異的抗体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/23 16:17 UTC 版)

膠原病」の記事における「特異的抗体」の解説

膠原病では抗核抗体 (ANA) が有名である。しかし抗核抗体軽度陽性であったとしても臨床的意義がない(膠原病診断基準満たさない)ものが殆どであり、抗体陽性で、即、膠原病甲状腺疾患慢性肝炎である場合ごく僅かである。また膠原病中にも抗核抗体診断影響しないものがある。 ANA関連膠原病 全身性エリテマトーデス (SLE)、全身性硬化症 (SSc)、シェーグレン症候群 (SjS)、皮膚筋炎 (DM)、多発性筋炎 (PMS)、混合結合組織疾患 (MCTD) があげられる。これらの疾患SLE以外は特異的な症状があり、抗核抗体測る前にそれらの症状有無確認しなければ検査結果判断難しくなる例えば、SScならば皮膚硬化SjSならば乾燥症状皮膚筋炎PMSならばゴットロン徴候ヘリオトロープ疹、筋力低下MCTDならば、ソーセージ指やレイノー症状あげられる抗核抗体特異性が高いとされているのはSLESScMCTDである。特異的抗体としてはSLEにおける抗dsDNA抗体、抗Sm抗体SScにおける抗Scl抗体抗セントロメア抗体、MTCDにおける抗U1RNP抗体SjSにおける抗SS-A抗体、抗SS-B抗体DMPMSにおける抗Jo-1抗体などがあげられる上記特異的な症状がなく、抗核抗体測るような場合とは、特異的な症状示さない膠原病を疑う時であり、それは通常SLEのことになる。SLE発症時には特異的症状欠けるのが特徴である。SLE診断にはSLE分類基準 (感度96%、特異度96%) を用いるのが一般的である。SLE分類基準11の項目からなり4つ以上を満たすSLEとなる。抗体以外の項目で9つの項目があるため、そのなかで最低2つの項目に合致しなければ抗核抗体測定して診断的な意義はない。すなわち、関節炎漿膜炎、痙攣精神病血球減少持続性蛋白尿円柱皮疹 (蝶形紅斑、ディスコイド疹)、無痛口腔潰瘍 (口腔上部に多い) のうち2つ以上認められるとき、抗核抗体抗dsDNA抗体、抗Sm抗体、抗リン脂質抗体特定する意義生まれる。このような使い方をしていればSLE強く疑う時、あるいはSLE否定したいときに抗核抗体は強い武器となる。 ANA陰性膠原病 抗核抗体診断影響しない膠原病としては血管炎血清反応陰性脊椎炎関節リウマチリウマチ性多発筋痛症ベーチェット病成人スティル病などがあげられる。これらの疾患では抗核抗体診断影響しないだけであって抗核抗体陰性なければならないわけではない健常者でも抗核抗体陽性となるように、これらの疾患患者でも抗核抗体陽性となる場合多々あるANCA関連血管炎 顕微鏡的多発血管炎 (MPA)、アレルギー性肉芽腫性血管炎 (AGA)、多発血管炎性肉芽腫症 (GPA) があげられる抗好中球細胞質抗体 (ANCA) を測るのはMPAWGAGA疑ったときであるため、急性ないし慢性の腎障害持続性蛋白尿原因はっきりしない陰影喀血紫斑多発性単神経炎鼻中隔穿孔認めた測定する血清における陽性率AGA50%WG活動期90%、MPA70%であるためANCA陰性であってもANCA関連血管炎可能性否定できない腎生検などによる免疫染色若干陽性率上がる傾向がある。

※この「特異的抗体」の解説は、「膠原病」の解説の一部です。
「特異的抗体」を含む「膠原病」の記事については、「膠原病」の概要を参照ください。

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