特異的腰痛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 01:42 UTC 版)
痛みの原因が骨格や筋組織以外の腰部の消化器系臓器や尿路・泌尿器系臓器の疾病による場合もある。 特異的腰痛の場合は、各疾患ごとに、それぞれの特異的な治療を必要とする。例えば腰椎の圧迫骨折では、骨折箇所を一定期間固定し、鎮痛剤を投与し、基盤にある骨粗しょう症を治療する必要がある。手術が必要な場合もある。 なお、一般的に言えば、病歴聴取と体の診察により、可能性のある特異的疾患を排除することができるので、画像診断などのお金のかかる検査は、慢性化した場合や治療に抵抗する場合に後日行うまで、通常は、差し控えておくべきである。 主な病名状態症状検査主な原因腰脚他MRIレントゲン他急性腰痛症(ぎっくり腰)筋肉痛、腰椎捻挫 腰痛 確定できない 老化作業姿勢重量物を運搬激しい運動など 腰部椎間板症椎間板の変形 長時間立つとつらい 必要 椎間板ヘルニア椎間板が変形により突出 痛みの増大 痛みしびれ 排泄障害(重度の場合) 確定 下肢伸展挙上検査 腰部脊柱管狭窄症椎間板突出による脊椎・脊柱管の変形 起床時も痛い 痛みしびれ麻痺間欠跛行 排泄障害(重度の場合) 確定 ミエログラフィー 変形性脊椎症 椎骨間隙が狭小化。骨棘 骨粗鬆症 骨が薄くなる 骨量測定 高齢、閉経 腰椎圧迫骨折骨折 新旧 楔(くさび)形の変形 核医学的検査 骨粗鬆症 感染性脊椎炎感染 棘突起叩打痛 発熱 体温測定 免疫低下、手術糖尿病、高齢 心因性腰痛神経症心身症うつ病 質問紙 怒り不安ストレス 腫瘍良性腫瘍、悪性腫瘍(早期の専門医受診が必要) 痛みの増大安静時も痛み 痛みしびれ 四肢の麻痺(重度の場合) 腫瘍 椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄は、老人には非常にありふれており、画像診断でほとんどの老人には認められるが、たいていの場合には、それは腰痛の原因ではない。それは、しばしば手術を行う根拠にされるが、その手術が成功して最終的に腰痛が軽快することはまれである。 椎間板ヘルニアは、その9割が自然に治癒する。 痛みには、筋肉由来の緊張性腰痛と、鈍い痛みを伴う慢性の腰痛がある。
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