特異衛星・遥感34号、遥感34-02号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 07:09 UTC 版)
「遥感衛星」の記事における「特異衛星・遥感34号、遥感34-02号」の解説
2021年4月30日 07:27 UTCに、酒泉発射場から長征4号C型ロケットを用いて打上げられた遥感34号(国際衛星識別符号:2021-037A、アメリカ宇宙軍衛星カタログ番号:48340)を、同日付の新華社は、光学撮影用衛星と発表しているが、アマチュア観測者などの観測データによれば、この衛星は光学撮影用に適した太陽同期軌道ではなく、3つ組衛星の高高度グループの典型的な軌道である、軌道傾斜角約63.4度、近地点高度約1083km、遠地点高度約1105kmの軌道に入っている。 また、2022年3月17日に、新華社は、同日 07:09 UTCに、リモートセンシング衛星「遥感34-02号」(国際衛星識別符号:2022-017A、アメリカ宇宙軍衛星カタログ番号:52084)を、酒泉発射場から長征4号C型ロケットを用いて打上げ、計画通りの軌道への投入に成功したと発表した。この衛星は遥感34号と同様の軌道傾斜角約63.4度、高度約1097kmの軌道に入ったことが確認されている。 遥感シリーズに属する、光学撮影用と公表されている他の衛星は、すべて太陽同期軌道に投入されており、遥感34号、遥感34-02号のみが例外となる。また、アマチュア観測者などの観測でも、遥感34号、遥感34-02号は3つ組衛星ではなく単独の衛星であるが、今まで遥感シリーズで、高高度3つ組衛星用軌道に単独の衛星が投入された例はこの2件しかない。 遥感34号のみが例外の段階では、従来型の高高度3つ組衛星として計画されたが、1基のみが正常に軌道に投入され、残り2基は展開に失敗して、結果としてこのような不可解な状況になっている可能性が考えられたが、同様の特徴を持った遥感34-02号が打ち上げられたので、この可能性はほぼ無くなった(ただし、遥感34号の失敗を取り繕うために、わざと単独衛星の遥感34-02号を打ち上げた可能性は残っている)。 以上から、遥感34号と遥感34-02号は、現在の時点では、光学撮影衛星であるにしろ、そうでないにしろ、従来の遥感シリーズ衛星の範疇に収まらない特異な衛星であり、高高度3つ組衛星と軌道が類似していることから、高高度3つ組衛星と何らかの関係がある、新規の任務を帯びた新型衛星である可能性が考えられる(例えば米軍のキラー衛星から遥感シリーズの高高度3つ組衛星を護衛する攻撃型衛星など)。
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