牧場の開業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 08:10 UTC 版)
1994年、事務所からの借金により北海道河西郡中札内村に『花畑牧場』を開業した。開業当初はチーズなどの自家生産に失敗し、出荷したが返品されたこともあった。本人の話によると「カビた商品が返って来る事もあった」。借金は合計4億円(2万坪の土地購入資金に銀行の融資が2億円、傾きかけた事業の再生に向けて所属事務所アップフロントプロモーション(当時:アップフロントエージェンシー)から1億円、損失が1億円)となった。30人いた従業員も続々と辞めて、田中と1人残った従業員の2人だけになり、一時は土地を売却し自己破産を迫られる危機的な状況に陥っていたが、土地は「資産価値無し」と査定され売却さえ難しい状態であった。 そこで、一時控えていたタレント活動を増やし、少しでも牧場の知名度をあげて話題に取り上げて貰えればと、番組共演者やスタッフに自社製品を手土産にしていた。持参したチーズの味を気に入った関係者の紹介で、レストランをはじめとする飲食店に少しずつではあるが販売経路を見出せるようになった。なかでも恵比寿の人気ラーメン店、九十九ラーメンのトッピングにゴーダチーズ(北海道十勝ゴールデンゴーダチーズ・商標登録5641816号)が採用されたことは、反転の大きなきっかけになる。チーズの風味の劣化を最小限に抑えるため、客に提供する直前におろしたチーズを山盛りにトッピングした商品は、目新しさも伴って同店の看板メニューのひとつとなった。90年後半のラーメンブームにさしかかっていた時期でもあり、人気ラーメン店特集に同店が取り上げられる折には「花畑牧場産のチーズを使用」と紹介され、他の飲食店からも問い合わせがくるという好循環に恵まれ、経営を持ち直すきっかけになった。 その後も田中の営業は弛みなく、自信作であるゴーダチーズをはじめカチョカヴァロやモッツァレラチーズを番組出演時に持参しては、美味しい食べ方や調理のレクチャーを行った。さらに、2006年にノースプレインファームが開発し、花畑牧場でも2007年から生産を開始した生キャラメルがメディアで取り上げられ大ヒット。これら商品群のヒットを以って、“花畑牧場ブランド”としての地位を獲得。自社工場を拡大するほどになった(2009年6月時点で年商120億円、従業員も1500人を超える規模に成長。以降の経営状況は『花畑牧場』の項を参照)。
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