漸近線
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解析幾何学において、平面曲線の漸近線(ぜんきんせん、英: asymptote)とは、十分遠くで曲線との距離が 0 に近づき、かつ曲線と接しない直線のことである。通常の定義では、漸近線は曲線と無限回交わってもよい[1]。
- ^ "Asymptotes" by Louis A. Talman
- ^ 数研通信80号(2014年9月) (PDF)
- ^ Williamson, Benjamin (1899), “Asymptotes”, An elementary treatise on the differential calculus
- ^ Nunemacher, Jeffrey (1999), “Asymptotes, Cubic Curves, and the Projective Plane”, Mathematics Magazine 72 (3): 183–192, doi:10.2307/2690881, JSTOR 2690881
- ^ 青本和彦、上野健爾、加藤和也、神保道夫『岩波 数学入門辞典』岩波書店、2005年9月29日。ISBN 978-4000802093。
- ^ Pogorelov, A. V. (1959), Differential geometry, Translated from the first Russian ed. by L. F. Boron, Groningen: P. Noordhoff N. V., MR0114163, §8.
漸近線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/11 07:13 UTC 版)
代数曲線の各無限枝はその曲線の無限遠点(つまり、その射影完備化の点でアフィン部分に属さない点)に対応する。そして対応する漸近線はその無限遠点における曲線の接線である。接線に対する一般式を射影曲線に適用することはできるが、今の場合は陽には意味を成さない。 曲線の定義多項式の斉次成分への分解を p = pd + … + p0(各 pi は次数 i の単項式の和)と書けば、 P = h p = p d + z p d − 1 + ⋯ + z d p 0 , {\displaystyle P={}^{h}p=p_{d}+zp_{d-1}+\cdots +z^{d}p_{0},} および P z ′ ( a , b , 0 ) = p d − 1 ( a , b ) {\displaystyle P'_{z}(a,b,0)=p_{d-1}(a,b)} である。この曲線の無限遠点は p の (a, b, 0) の形の零点である。あるいは同じことだが、(a, b) が pd の零点である。代数学の基本定理によれば、代数閉体(典型的には複素数体)上では、pd は一次式の積に分解される。各一次の因子は曲線の無限遠点を定義する(bx − ay をそのような因子とすれば、それは無限遠点 ((a, b, 0) を定義する)。実数体上では、pd は一次式と二次式からなる積に分解される。既約な二次の因子は非実無限遠点を定義し、一次の因子は実点を定義する。点 (a, b, 0) が曲線の無限遠点であることを、(a, b) は漸近方向であると言い表す。q = pd と置くと、対応する漸近線の方程式は x q x ′ ( a , b ) + y q y ′ ( a , b ) + p d − 1 ( a , b ) = 0 {\displaystyle xq'_{x}(a,b)+yq'_{y}(a,b)+p_{d-1}(a,b)=0} となる。q'x(a, b) = q'y(a, b) = 0 かつ pd−1(a, b) ≠ 0 ならば漸近線は無限遠直線であり、実係数の場合には曲線は放物線のように見える枝を持つ。このことを曲線は「放物的な分枝を持つ」と言い表す。 q x ′ ( a , b ) = q y ′ ( a , b ) = p d − 1 ( a , b ) = 0 {\displaystyle q'_{x}(a,b)=q'_{y}(a,b)=p_{d-1}(a,b)=0} ならば、曲線は無限遠に特異点を持ち、複数の漸近線を持ち得る。これらは特異点の接錐の計算法によって計算することができる。
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