消極的平和と積極的平和とは? わかりやすく解説

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消極的平和と積極的平和

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 20:55 UTC 版)

平和学」の記事における「消極的平和と積極的平和」の解説

消極的平和しょうきょくてきへいわ)」・「積極的平和せっきょくてきへいわ)」というフレーズは、1942年アメリカ法学者クインシー・ライト唱えたのが最初とされるその後ノルウェー平和学ヨハン・ガルトゥングが、既存肉体的暴力精神的暴力性的暴力などといった「直接的暴力」(direct violence)と、暴力貧困差別格差など社会的構造根ざしている場合の「構造的暴力」(structural violence)を提起したことにより、従来平和学における「平和=単に戦争のない状態」と捉える消極的平和」に加え戦争の原因となる構造的暴力がない状態であるとする「積極的平和」(positive peace)という概念確立し平和学理解取り込まれ一般的な解釈となった日本でも20世紀から同様に解釈されており、『構造的暴力と平和』(1991年中央大学出版部発行)などが出版されている。 その結果現行の平和学対象領域広がり貧困飢餓抑圧開発ジェンダーコミュニティノーマライゼーション異文化教育といった日常生活関わるテーマも含むようになった。 なお、安倍晋三首相第2次安倍内閣国家安全保障戦略基本として掲げ第3次安倍内閣でも継続されている理念の「積極的平和主義」は、上記解釈とは隔たりがあるとする指摘がある。ガルトゥング2015年(平成27年)8月22日沖縄県浦添市招かれ講演した際、「安倍首相は『積極的平和』という言葉盗用し、私が意図した本来の意味とは正反対のことをしようとしている」とこれを否定した。また「私は、日本がこう主張するのを夢見てやまない。『軍隊持たず外国攻撃備えることもない』と」とも語っている。 ただ英訳ではガルトゥング積極的平和は「Positive Peace」なのに対し安倍首相積極的平和主義は「Proactive Contribution to Peace」で異なり日本語でも「主義」がつくか否か違いがあるが、2015年(平成27年)9月4日参議院特別委員会では、岸田文雄外務大臣は、安倍政権積極的平和主義について「貧困搾取対処すべきであるという観点では、ガルトゥング博士積極的平和重な部分は多い」と主張している。 詳細は「積極的平和主義」を参照

※この「消極的平和と積極的平和」の解説は、「平和学」の解説の一部です。
「消極的平和と積極的平和」を含む「平和学」の記事については、「平和学」の概要を参照ください。

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