消極的自由と積極的自由とは? わかりやすく解説

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消極的自由と積極的自由

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 14:34 UTC 版)

消極的自由」の記事における「消極的自由と積極的自由」の解説

消極的自由他者権力従わない状態、他者強制的干渉不在の状態を意味する例え信教の自由では政府国民個人宗教活動干渉しない規定国家からの自由)するように、消極的自由他者干渉物理的に無い範囲規定する一方積極的自由は、自己実現や「能力」(capability)によって規定される概念であり、自己の意志実現しうること、能力のあることが自由である。自己の行為や生が自己の意志決定基づいているかどうか自己自身律しうる自立した状態にあるかどうかという観点から見た自由である。そのように基づいていることが自由、そのような肯定的な状態にあることが自由なのであるまた、貧富の格差存在する社会において、それを解消し社会権国家による自由)を実現するために、政府富者から高額税金徴収し貧者分配することや、一般に社会的弱者分類され人々対し教育就職などでより多く機会与えることにより社会的な格差解消しようとする行為アファーマティブ・アクション)も、自己実現困難な疎外され立場にある者の自己実現容易にするという点で積極的自由の実現考えられている。 また両者区別は、自由という語の解釈違い並行するものでもある。自由を他者従わないことと見れば消極的自由側面現れ自己自身に従うことと見れば積極的自由の側面現れることとなる。消極的自由は「~からの自由(liberty from)」、積極的自由は「~への自由(liberty to)」とも呼ばれるより一般的には、消極的自由と積極的自由の相違社会的なとりわけ物質的条件によっていかなる権利の上での禁止もないのに、自己の望むことをなしえないとき、または当人無知などから無自覚権利の行使放棄しているときにこの状態を自由とみなすかどうかというような想定において議論となる。この点での相違は、「結果の平等」と「機会の平等」とパラレル語られることが多いが、少なくとも概念的には、このふたつの相違は全く同一と言うわけではないバーリンは消極的自由と積極的自由の区別西欧政治思想伝統深く根付いたのである指摘している。消極的自由は主にホッブスロックアダム・スミスジョン・スチュアート・ミルイギリスの政治哲学者積極的自由は主にルソーヘーゲルマルクスヨーロッパ大陸哲学者提唱されてきた。

※この「消極的自由と積極的自由」の解説は、「消極的自由」の解説の一部です。
「消極的自由と積極的自由」を含む「消極的自由」の記事については、「消極的自由」の概要を参照ください。

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