ヨハン・ガルトゥングとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 人名 > 学者・研究者 > 政治学者 > 国際関係研究者 > ヨハン・ガルトゥングの意味・解説 

ガルトゥング【Johan Galtung】

読み方:がるとぅんぐ

[1930〜 ]ノルウェー平和学者。戦争がない状態を平和とする消極的平和考え方に対して人権尊重され幸福や福祉保障されている状態を積極的平和として区別戦争殺人などの直接的暴力に対して抑圧搾取が行われる構造的暴力をいう概念提唱した


ヨハン・ガルトゥング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/18 02:19 UTC 版)

ヨハン・ガルトゥング
Johan Galtung
2012年、イタリアトレントにて
人物情報
全名 ヨハン・ヴィンセント・ガルトゥング
生誕 (1930-10-24) 1930年10月24日
 ノルウェー オスロ
死没 (2024-02-17) 2024年2月17日(93歳没)
 ノルウェー バールム
出身校 オスロ大学
学問
研究分野 社会学平和学未来学数学
研究機関 コロンビア大学
オスロ大学
オスロ国際平和研究所
学位 博士(社会学、数学)
特筆すべき概念 構造的暴力、積極的平和、en:Conflict triangle
主な受賞歴 ライト・ライブリフッド賞
テンプレートを表示

ヨハン・ヴィンセント・ガルトゥング(Johan Vincent Galtung、1930年10月24日 - 2024年2月17日)は、ノルウェー社会学者数学者

人物・来歴

ヴァイキングの時代から続く貴族の家系に生まれ、父は医者、陸軍少尉、オスロ副市長も歴任した人物である[1]。オスロ大学にて、1956年に数学で、翌年には社会学で博士号を取得[2]。20代半ばの頃には、良心的兵役拒否者として12カ月間の単純労働に従事した[1]。その後、労働期間の延長を拒んだために労働刑務所に6カ月間収監された[1]

略歴

主張

戦争のない状態を平和と捉える「消極的平和」に対し、貧困、抑圧、差別など構造的暴力のない状態を「積極的平和」とする概念を提起した。これまでに、スリランカアフガニスタン北コーカサスエクアドルなど、世界で40ヶ所以上の紛争の仲介者をした。日本においても中央大学国際基督教大学 (ICU) 、関西学院大学立命館大学創価大学などで客員教授を務める。安倍晋三が主張した「積極的平和主義」に関しては、自身の唱える積極的平和とは真逆であると述べた[6]

尖閣諸島の領有権を巡って日中が対立している状況に対し、中国日本がそれぞれ40%ずつの権益を分けあい、残りの20%を北東アジア共同体のために使うという解決案を示している[7]

邦訳著書

単著

  • 『90年代日本への提言―平和学の見地から』、中央大学出版部、1989年
  • 『平和への新思考』(高柳先男・塩屋保訳)、勁草書房、1989年
  • 『仏教――調和と平和を求めて』、東洋哲学研究所、1990年
  • 『構造的暴力と平和』(高柳先男・塩屋保・酒井由美子訳)、中央大学出版部、1991年
  • 『市民・自治体は平和のために何ができるか――ヨハン・ガルトゥング平和を語る』、国際書院、1991年
  • 『平和的手段による紛争の転換――超越法』(伊藤武彦編集、奥本京子訳)、平和文化、2000年
  • 『平和を創る発想術――紛争から和解へ』京都YWCAほーぽのぽの会訳、岩波書店、2003年
  • 『グローバル化と知的様式――社会科学方法論についての七つのエッセー』矢澤修次郎・大重光太郎訳、東信堂、2004年
  • 『ガルトゥングの平和理論――グローバル化と平和創造』(木戸衛一・藤田明史・小林公司訳)、法律文化社、2006年
  • 『ガルトゥング紛争解決学入門――コンフリクト・ワークへの招待』藤田明史・奥本京子監訳、トランセンド研究会訳、法律文化社、2014年
  • 『日本人のための平和論』御立英史訳、ダイヤモンド社、2017年
  • 『ガルトゥング平和学の基礎』藤田明史編訳、法律文化社、2019年

共編著

脚注

関連項目

外部リンク




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ヨハン・ガルトゥング」の関連用語

ヨハン・ガルトゥングのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ヨハン・ガルトゥングのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのヨハン・ガルトゥング (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS