海路及び陸路による流入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 03:54 UTC 版)
「2015年欧州難民危機」の記事における「海路及び陸路による流入」の解説
2014年における国別の不法越境者数(陸路、海路合計)シリア 79,169 エリトリア 34,586 不特定サブ・サハラ 26,341 アフガニスタン 22,132 コソボ 22,069 マリ 10,575 アルバニア 9,323 ガンビア 8,730 ナイジェリア 8,715 ソマリア 7,676 その他 54,216 合計 283,532 国際移住機関によれば、2014年だけで3,072名が地中海を越える過程で死亡するか行方不明になっている。2000年から2014年の期間で22,000人の移民が死亡したと試算されている。 2014年には、283,532名の移民が不法にEUの国境を越えている。中央地中海、東地中海、西バルカンがおもなルートとなる。このうち220,194名(2013年比で266%増)が地中海を越えており、そのうち半数はシリア、エリトリア、アフガニスタン出身者が占める。 2014年のこれら南ヨーロッパに到着した移民たちの大部分、170,664名(前年の277%増)はリビア経由でイタリアに入国している。一方で50,834名(前年の105%増)はトルコ経由でギリシャに入国している。62,000名がイタリアに難民申請をしているが、大部分のシリア人とエリトリア人、すなわちイタリアに入国した移民の半数に当たる者たちはイタリアに留まらずにさらに北を目指して旅を続ける。彼らは主にドイツやスウェーデンを目的地にしている。 2015年には前年の傾向に変化が現れる。この年の移民到着者数でギリシャはイタリアを追い越して首位に立ち、ギリシャへの移民到着者数は最初の半年だけで前年を越えた。2015年の最初の6ヶ月だけでイタリアに67,500名が到着、出身国の内訳はエリトリア(25%)、ナイジェリア(10%)、ソマリア(10%)となる。一方のギリシャには68,000名が到着、内訳はシリア(57%)、アフガニスタン(22%)となる。2015年の最初の半年だけで合計137,000名の移民が地中海を渡りヨーロッパへと入った。 2015年4月17日時点で、この年の1月からのイタリア到着者数は21,191名となった。3月には悪天候により減少したが4月10日以降に移民が殺到し、結果的に前年の同じ時期と同等の規模となった。しかしながら、死亡者数は2014年の最初の4ヶ月が96名だったのに対して2015年は500名を記録している。この数字は、4月13日と19日の大規模な沈没事故による犠牲者を含んでいない。 2015年8月初旬の国際連合難民高等弁務官事務所の発表によれば、2015年のこの時期までに250,000名の移民が海を越えてヨーロッパへと到着している。内訳は124,000名がギリシャ、98,000名がイタリアとなる。欧州対外国境管理協力機関(Frontex)によれば7月は107,500名の移民がEUに到着したと試算されており、ひと月での最多記録となった。8月には156,000名がEU圏内に到着、この年のEUの国境を越えた移民の数が500,000人を越えた(ただし、ハンガリー国境でセルビアにカウントされた移民たちは数週間前にトルコからギリシャを越えているときにもカウントされていることがわかっている)。 国際移住機関の試算によれば、2015年の9月10日時点で海を越えてヨーロッパへ渡った移民の数は432,761名で、これは2014年全体のおよそ2倍にあたる。2015年の移民の70パーセント(309,356名)はギリシャで登録されている。28パーセント(131,139名)がイタリアとなっているが、前年の同じ時期よりも増加率は落ち着いている。ギリシャに到着した者のうち70パーセント以上がシリア出身者で構成されている。国際移住機関の試算によればこの時期までに2,748名が地中海で命を落としている。このうちの2,620名が中央地中海ルートであるが、欧州対外国境管理協力機関(Frontex)の行っているオペレーション・トリトンの規模拡大が功を奏し、ここ数ヶ月の死亡率は低下している。 2016年1月時点で、約100万人の難民と経済移民が非合法なルートで欧州に入っている。
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