海草・藻類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/20 20:31 UTC 版)
海草・藻類は、合計139種が確認されている。内訳は、海草が13種、緑藻類が52種、褐藻類が32種、黄緑藻類が1種、紅藻類が41種である。このように多くの海草・藻類が生育する理由として、海底環境の構造、底質等の多様さ、静穏でありながら外洋からの海水の供給が行われていることなどが挙げられる。 海草については、沖縄県内に生育する14種のうち、 アマモ科アマモ属コアマモ イトクズモ科ベニアマモ属ベニアマモ リュウキュアマモ ウミジグサ属ウミジグサ マツバウミジグサ シオニラ属ボウバアマモ(シオニラ) トチカガミ科リュウキュウスガモ属リュウキュウスガモ ウミヒルモ属ホソウミヒルモ ヒメウミヒルモ ウミヒルモ トゲウミヒルモ オオウミヒルモ ヒルムシロ科カワツルモ属カワツルモ の計13種が確認されている。特に、ウミヒルモ属については、ホソウミヒルモが泡瀬干潟で発見され新種記載されたり、形態の違うウミヒルモの仲間が発見されたことにより、分類群の見直しが行われた。 これらの海草は、海岸から沖に向かって、マツバウミジグサ群落、コアマモ群落、ウミジグサ群落、リュウキュウスガモ群落、ベニアマモ群落、リュウキュウアマモ群落、ボウバアマモ群落という順番で水深や潮流によって帯状に分布(帯状分布)している。また、干潟の後背湿地にはカワツルモが生育している。 藻類については、世界でも沖縄本島の3箇所(泡瀬干潟、うるま市屋慶名及び恩納村太田)でしか確認されていないクビレミドロの生育地であるほか、緑藻のイワズタ属や、褐藻のウミウチワ属は沖縄県で最も種数が多いことが分かっている。 これらの海草・藻類の種の中には、環境省の「改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物―レッドデータブック―」や水産庁の「日本の希少な野生水生生物に関するデータブック」、沖縄県の「改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物―レッドデータおきなわ―」等の絶滅危惧種を紹介した書籍に掲載されている「重要種」が含まれている。 また、種そのもの重要さに加え、海草・藻類の群落(藻場)は、魚類や甲殻類などの海生生物の生息地として、餌場・休息場等の機能を担っているほか、外洋性魚類の稚魚もこうした浅海域で成長するため、魚類の「ゆりかご」にもなっており、海域生態系の中でも海草・藻類は重要な位置を占めていると言える。
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