海戦法規
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 09:21 UTC 版)
海戦法規(海戦法、海上作戦法規)は海上での武力紛争に適用される戦時国際法である。海戦法規は海上での軍事目標、武力紛争における臨検・拿捕、機雷使用などについて定めたものである。海戦法規は陸戦法規とは異なり、その大部分が19世紀までの慣習国際法に基づいたものである。ただし海上戦力の多様化や新しい海洋法や環境法の成立があったことで、人道法国際研究所は海上武力紛争法サンレモ・マニュアル(英語版)を完成させ、海戦法規の普及と、将来の条約化に貢献している。 海戦における軍事目標の規定は慣習国際法によって構成される。軍事目標として識別される敵国の船舶はまず海軍に所属した軍艦と補助船舶であり、これに対しては攻撃または拿捕することが可能である。また商船も直接攻撃や機雷敷設などの敵国の戦争行為に従事している、または敵軍の補助を行っているならば軍事目標である。また軍事物資の輸送作戦の従事などの戦争遂行努力(英語版)に組み込まれた敵国商船も軍事目標となる。ただし敵国の船舶であっても、病院船や沿岸救助用小型艇、などの非軍事的な任務を担う船舶は特別の保護を受けているために攻撃・拿捕が免除されている。 中立国軍艦および軍用機は公海及び排他的経済水域から成る国際水域においては自由に航行・飛行・訓練・情報収集などを行う権利を有する。中立国の軍艦や軍用機に対して攻撃することは、中立国に対する武力攻撃であり、中立国は自衛権を行使することが出来る。過失であっても攻撃した国家は国家責任を負うことになり、謝罪・賠償・責任者処罰・再発防止措置などが求められる。
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