浄の池の所在地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 06:05 UTC 版)
「浄ノ池特有魚類生息地」の記事における「浄の池の所在地」の解説
この池の所在地について、黒田の作成した調査報告書では冒頭の「淨の池」ノ所在地其他、で次のように説明されている。 玖須美ノ十字路ヲ濱新道ノ方ヘ二丁 初メテノ横丁ヲ右ヘ曲リ左側ノ中部ニ在リ 『史跡名勝天然記念物調査報告』 第26號 文中にある玖須美ノ十字路とは、伊東最古の温泉である共同浴場和田湯(地図)前の十字路、2019年現在の国道135号(通称『銀座あんじん通り』)と市道(通称『玖須美温泉通り』)が交わる交差点であり、濱新道とは2020年現在の『玖須美温泉通り』の旧称である。 つまり玖須美の十字路を東方向へ2丁進んだ最初の交差点を右(南方向)へ曲がった付近の左側という意味で、今日の同地の道路経路、形状とほぼ一致している。 また、1936年(昭和11年)頃に浄の池(茶屋)が発行した『淨の池異魚繪葉書』に添付されていた解説書では次のように所在地が説明されている。 町の中央を貫流する松川の下流に架けた大川橋に東南に立てば伊東唯一の近代的建物である駿河銀行伊東支店が前方左手に峙つてゐる。その前の道路は若干の廣場になつて居て、そこから三叉状に分岐してゐる中央の道路を、伊東町水道課の建物を左手に見て約そ四丁程進めば、道の將に大左曲しやうとする手前の左側道路に面して『天然記念物淨の池』と書いた標柱が見出される。ここが即ち淨の池所在地である。 『淨の池異魚繪葉書』解説書 文中にある大川橋(地図)は、国道135号線の橋梁として今日も同じ橋名で同所にあり、三叉状の分岐とは大川橋南詰の信号機のある交差点(清水銀行伊東支店と、登録有形文化財旧伊東警察署松原交番(伊東観光番)に挟まれた交差点)のことである。 この三叉路から水道課を左手に見て進む中央の道路とは、2020年現在『浄ノ池通り』の愛称が付けられている伊東市街を南北方向に走る市道であり、続く記述で大左曲と表現された池の南側で左へクランク状に曲がる道路(現静岡県道110号伊東港線)の形状も含め、この絵葉書の解説書中にある内容は今日の道路経路や形状とほぼ一致しており、浄の池の所在した和田・竹の内(玖須美)地区は大正期から今日に至るまで、ほとんど変わらない古い街路形状を持つ伊東市街南東部の一角に位置している。 伊東温泉で最も古い歴史を持つ和田湯は、江戸時代にはお湯を江戸城へ献上し各大名も入浴に訪れたといい、和田村に隣接する海岸沿にあった新井村の貞享3年(1686年)に書かれた差出帳に、…和田村へ御湯治の御大名方へご馳走するときは… という記述があり、大名一行は近接する浄円寺を宿舎としていたとの記録が残されている。このように、和田湯と浄の池のある付近一帯は温泉地伊東の古くからの中心的地区のひとつであった。 和田湯は玖須美十字路と呼ばれていた交差点南東角に、共同浴場「和田湯会館-和田寿老人の湯」として存続し、今日も地域住民に親しまれている。
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