派生形式一覧
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/21 08:31 UTC 版)
特許に制約された技術を用いない、国鉄のために設計・製造された系列であるため、ほぼ国鉄向けのみで、いずれも重量の制約の厳しい客車用ばかりである。並びは登場順である。 TR50X : 最初に「TR50」として登場。10系客車の試作車の台車で、メーカー別に数両ごとに仕様が分けられていた。ナハ10形の量産車が登場するにあたり試作車の台車の形式をTR50Xに改称したが、さらなる試験で交換・再交換したものを除き引き続きこの試作品が用いられ続けた。ヨーロッパ流の側受支持であるが、これが台車枠外側に配置されており側受間隔が2,120 mmと広かったため側受の摩擦抵抗が大きく問題となった。車軸は10 t短軸。 TR50A : ナハネ10形等10系の三等寝台車用台車。本形式より、側受を台車枠内におさめて側受中心間隔を1,210 mmに縮小した。車軸は10 t短軸。 TR50(量産形式) : ナハ10形量産車の台車。10 t短軸。本形式の登場に伴い、先の試作車用TR50がTR50Xに改称された。 TR50B : ナロ10形用に製作された台車。優等車用であるため、乗車定員が少なく、枕バネのばね定数を引き下げて柔らかくしている。10 t短軸。 TR52・TR52A : 60系客車のうち、優等列車に供されるオハニ36形(元オハニ63形)・オロ61形用として製作。車体荷重を心皿と側受で分担。車軸は12 t短軸に強化。 TR54・TR55 : 20系客車用台車。荷物電源車用のTR54・それ以外用の空気ばね装備TR55に分かれる。110 km/hでの運転となることからブレーキの即応性を狙ってブレーキシリンダーを台車装荷としている。軽量化を主眼に置いたため、車輪径を800 mm(のち820 mmに修正)と小さくする、さらに旅客車用TR55では車軸を中空軸にするなどの一方で、乗り心地に関わるDT23のようなボルスタアンカーやウイングバネ式軸ばねは装備しなかった。車軸はTR54が12 t短軸だが、荷重の小さいTR55が7.5 t軸(のち中実の8 t軸に変更)。 TR60 : 先述のTR55をベースに、10系のオロネ10形用に改設計したもの。車内照明はバッテリー給電のため、車軸発電機を有する。10t短軸。 TR200 : TR50の荷重支持を心皿支持に改めたもの。オユ10~スユ13各形式の郵便車の一部で使用。10t短軸。 TR217 : 12系・14系・24系の各系列で使用。20系のTR55Bがベースであるが、用いられているねじが新JISねじであり、車軸は12 t軸になるなど変更が加えられている。 TR230 : 50系客車用。TR217をベースに、枕バネをコイルばねに、揺れ枕を大径心皿方式にして側受の荷重配分調整なしで適正な回転抵抗を得られるようにしたもの。北海道での運行を前提に51形・マニ50の中途からブレーキシリンダーの装荷方法が車体取付に戻されている。 TR232 : マニ44形用にTR230を改設計したもの。ブレーキは台車シリンダー式だが、ブレーキシリンダーが外側に出ている。
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