治安と放置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 02:10 UTC 版)
欧米や途上国では特に誘拐などの犯罪も起きやすい事情もあって、児童を遅くまで戸外で遊ばせていたり、子供を車に残したままコンビニなどで買物をしても問題視され、場合によっては警察官に逮捕されるか、注意される可能性がある。実際アメリカ合衆国では、「一定の年齢(州法で定められた年齢)以下の子供」を、保護者の監督のない状態(留守番や日本の「カギっ子」状態)に置くこと自体が違法とされており、近所の通報などで警察官が赴き帰宅した親が児童虐待として逮捕されるケースも多い。 例として2014年、サウスカロライナ州では9歳の子供を一人で公園で遊ばせた、フロリダ州では7歳の子供を一人で公園へ行かせたとして、それぞれ育児放棄の疑いで保護者が警察に逮捕されているが、この例に限らず子供だけで留守番をさせたり駐車場に停めた車に子供を残して買い物をしていた親が逮捕あるいは罰金刑を受ける事は各州で日常的に報道されている。友達と遊ぶのと違い、公園・自宅前での一人遊びは放置子に見られやすい。 従来の日本では治安が行き届いていると見られていたために、かつては児童が一人で公園などで遊んでいてもあまり問題視されなかったが、1980年代後半(昭和末期)頃から現在では、児童を付け狙う変質者やぺドファイルの起こす事件の存在がマスメディアやインターネットの発展などにより広く知られたこともあり、近年では保護者が子供を遅くまで戸外で遊ばせて顧みない行為を問題視する風潮もある。 ただし、両親が共働きであるにもかかわらず保育園や託児所の不足、その自治体の財政的事情による小学校の学童保育施設の不備など、諸々の理由でいわゆる「待機児童」が遅い時間まで一人ですごさざるを得ないという実態、およびそれを問題視するかしないかの意識については、地域格差ならび貧富の差がある。保育園に比べ学童保育の終了時間が早い「小1の壁」、学童保育も小学3年生で退所のところが多い「小4の壁」という問題がある。特にキャリアウーマンの母親は、日本の労働慣行の残業して当然という状況に苦しむ。
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