母と息子
『源氏物語』「桐壺」 桐壺帝は桐壺更衣を偏愛し、2人の間に光源氏が誕生する。しかし光源氏が3歳になった年、病弱な母桐壺更衣はこの世を去る(*20歳前後で病死したと考えられる)。光源氏は亡き母の面影を求め、母によく似た藤壺女御を思慕する。
『古事記』上巻 イザナミは火神カグツチを産んだために傷つき、黄泉国へ赴く。イザナキの鼻から生まれたスサノヲは、「亡き妣(はは)の住む根の堅州国へ行きたい」と言って泣く〔*『日本書紀』巻1・第5段一書第6に類話〕。
『さびしんぼう』(大林宣彦) 高校2年のヒロキは、女子高に通う美少女百合子にあこがれている。百合子の寂しそうな横顔から、ヒロキは心の中で彼女を「さびしんぼう」と名づける。ある日、ピエロの格好をした不思議な少女が出現し、ヒロキの恋を応援して、やがて消えて行く。ピエロの少女の顔は、どこか百合子に似ていた。大掃除の時に紛失した写真を、母が見つけ出してヒロキに見せる。それは母の16歳の時の写真で、写っていたのは、あのピエロの少女だった。
『幽霊』(北杜夫) 「ぼく」がまだ幼い頃に父は死んだ。その後まもなく母は家を出た。「ぼく」は松本の高等学校へ進学し、ある時、若い頃の母を知る人から、母の少女時代の写真を初めて見せられた。母の顔は、「ぼく」がひそかな恋心を抱いている名も知らぬ少女に似ていた。その年の夏の終わり、「ぼく」は霧の北アルプスで、母の幻を見た。
『なぜ神々は人間をつくったのか』(シッパー)第2章「無からの創造」 ワナディは黙ったまま座ってタバコを吸い、考えながら夢を見ることを繰り返していた。彼は1人の女が生まれる夢を見た。それは彼の母親で、名をクマリアワといった。彼女は赤ん坊ではなく、十分に成長した女性の姿で生まれた。ワナディは彼の力と知恵のしるしとして、母親クマリアワを作った(ヴェネズエラ、マキリタレ族)。
Weblioに収録されているすべての辞書から母と息子を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。

- 母と息子のページへのリンク