歴史の自由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 08:42 UTC 版)
「ピエール・ヴィダル=ナケ」の記事における「歴史の自由」の解説
2005年12月13日、ヴィダル=ナケのイニシアティブにより19人の歴史学者が「歴史の自由」を訴え、請願書を『リベラシオン』紙に掲載。600人以上の署名を集めた。この訴えは、近年、ますます頻繁に政治が過去の出来事の評価に介入するようになり、歴史家や思想家が裁判に巻き込まれることが多くなった事態を憂慮し、歴史は宗教、道徳、記憶などではなく科学であり、したがって、歴史学にとって重要なのは厳密な方法による事実の確定であり、決して過去を裁くことではない、自由な国において歴史的事実を確定する権利を有するのは議会や司法当局ではないという趣旨である。さらに、1) ゲソー法(人種差別、反ユダヤ主義その他の排外主義的行為を抑圧するための1990年7月13日付法律、2) アルメニア法(1905年のアルメニアにおけるジェノサイドを確認する2001年1月29日付法律)、3) トビラ法(奴隷売買と奴隷制度を人道に反する罪と認める2001年5月21日付法律)の規定の一部はこうした原則に反するものであるとした。この「歴史の自由」の訴えは大きな反響を呼んだ。特にゲソー法に含まれる言論の自由を制限する内容は、極右政党国民戦線のヘイトスピーチ的・歴史修正主義的な言説へのやむを得ない対抗手段であったからである。
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