歴史の立て直し事業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/19 13:53 UTC 版)
「日帝風水謀略説」の記事における「歴史の立て直し事業」の解説
「日帝残滓」も参照 第14代韓国大統領の金泳三は、「光復50周年」を記念した、いわゆる「歴史立て直し事業」の中で、かつて日本が朝鮮半島で行った政策により、韓国内に残存している文物が「日帝残滓」であり、排除されるべきだと訴えた。その中には当時の日本が韓国(朝鮮半島)の地脈や民族の精気を絶つために「風水侵略」を行ったという非難があった。その例として有名なものに、日本が山頂などの風水上の要所に鉄杭を打ったという「日帝の鉄杭」がある。 わが国民大多数は、日帝がわが民族精気を抹殺するために全国の名山のあちこちに鉄杭を打ち込んで地脈を絶ったことをよく知っている。(--中略--) 1995年2月から全国で実態調査を行い、180本の鉄杭を確認し除去作業を行った。 — 「変化と改革―金泳三政府国政五年資料集」 黒田勝弘は、このような説を「日帝風水謀略説」「風水的マッカーシズム」と呼び、批判している。過剰な風水論とナショナリズムが結びついたものだと断じ、韓国マスコミの情緒的な反日主義が原因であり韓国人の被害者意識が背景にあるとする。黒田は韓国マスコミの多くが「風水侵略」論を事実として報じる一方で、疑問を呈した記事を掲載した雑誌が1誌あったことも併記している。 民間レベルの鉄杭除去運動は歴史の立て直し事業以前からあったといい、現在でも民間人による私的な除去作業が盛んである。1メートルを超えるものからごく短いものまで様々な「鉄杭」がいまも引き抜かれているが、そのほとんどは測量用の杭だという証言も多い。 鉄杭以外で有名なものには朝鮮総督府庁舎がある。朝鮮総督府庁舎は単純に日帝残滓として判断された以外にも、風水学の観点から王宮を塞ぐように建っていることや、さらに王宮に対して正対せず「斜め」に建てられていることから問題視されていた。最終的に朝鮮総督府庁舎は歴史の建て直し事業の中で解体され、その解体作業ではパレードが行なわれるなど、祝賀行事としての性格があった。 これらの説については、そもそも日本人は風水を信じているものが少なく、荒唐無稽な説であって、黒田は「韓国社会におけるある種の伝説」と断じている。ただし、ソウル大学社会学科の慎鏞廈教授は、日本人が風水を信じていないとしても、風水を信じている韓国人に挫折感を植えるために行ったと主張している
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