歌曲と聖歌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 20:51 UTC 版)
Forunderligt at sige クリスマスの聖歌、ピアノ演奏、グルントヴィの詞 省略あり (0:44) Grøn er Vaarens Hæk ピアノ演奏、ムラ(英語版)の詞 省略あり (0:25) Se dig ud en Sommerdag ピアノ演奏、オーケーア(英語版)の詞 省略あり (0:27) これらの音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。 長年にわたりニールセンは290を超える歌曲や聖歌を作曲した。それらの大半はよく知られたデンマークの著作家であるN.F.S.グロントヴィ、ベアンハート・スィヴェリーン・インゲマン(英語版)、ポウル・マルティン・ムラ(英語版)、エーダム・ウーレンスレーヤ、イェベ・オーケーア(英語版)らの韻文や詩文を用いたものである。デンマークではこれらの作品の多くが今日でも大人と子どもの両方に依然として人気である。「国を一番に代表する作曲家の作品のうち最も代表的な要素」であると看做されているのである。1906年、ニールセンはそうした歌曲が自国民に重要であることを説明している。 ある種の旋律の抑揚に対し、我々デンマーク人は避けがたく、例えばインゲマン、クレスチャン・ヴィンダ(英語版)、もしくはドラクマン(英語版)の詩を想う。そして、我々はしばしば歌や音楽の中にデンマークの風景の香りや田舎の映像を感じ取るようなのである。しかし我々の田園風景、我々の画家、我々の詩人を知らないか、もしくは我々の歴史を我々と同じような身近さで知らない外国人には、我々に共感的理解を伴って聞こえ、震えをもたらすそれが何であるのか理解することはまったくもって不可能なのだ。 非常に重要なのは1922年の『高校民謡歌曲集』(Folkehøjskolens Melodibog)への参加で、ニールセンはトオマス・ラウプ、オーロフ・レング、トーヴァル・オーゴーと共同で編者のひとりとして加わった。この本には編者が作曲した約200曲を含む計600曲あまりの旋律が収められ、デンマーク民謡文化に不可欠な歌の集いのレパートリーとすべく編まれた。歌曲集は絶大な人気を博し、デンマークの教育カリキュラムにも盛り込まれた。第二次世界大戦中のドイツ占領下ではこれらの旋律による大規模な歌の集いがデンマークの「精神的再武装」の一端を担い、1945年の終戦後にはある作家によりニールセンの貢献は「我々の愛国的歌曲の宝箱にしまわれた宝石を輝かせた」と評された。このことは今なおデンマークにおける彼の評価の重要な要素であり続けている。
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