歌曲「家路」の成立
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「家路 (ドヴォルザーク)」の記事における「歌曲「家路」の成立」の解説
アメリカ空軍バンドが演奏する「家路 (Goin' Home)」 この音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。 『新世界より』第2楽章:Largo Musopenより この音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。 英語版ウィキソースに本記事に関連した原文があります。Goin' Home ドヴォルザークの弟子であったフィッシャーは、1922年に、「ラルゴ」の主題の旋律に歌詞を載せて、編曲し、霊歌風の楽曲「家路 (Goin' Home)」としたが、この曲はしばしば民謡や伝統的な霊歌と誤解されることがある。そのような誤解が生まれた背景には、もともとこの旋律が、先住民オジブワ族の英雄譚に取材したヘンリー・ワーズワース・ロングフェローの詩『ハイアワサの歌』のオペラ化のために構想されたものを元にしていたことや、ドヴォルザークが黒人の弟子であったハリー・バーリー(英語版)から多数の霊歌を聞いており、これを『新世界より』の構想に活かしたことがあった。バーリーは、ドヴォルザークが『新世界より』の作曲にあたって黒人霊歌を参考にしていたと述べている。 フィッシャー以外にも、やはりドヴォルザークの弟子であったハーヴェイ・ワーシントン・ルーミスが「Massa Dear」(1923年)、モーリス・アーノルド (Maurice Arnold)が「Mother Mine」(1927年)として、それぞれ英語の歌詞を載せた歌曲を編曲しているが、人気になったのはフィッシャーの「Goin' Home」であった。フィッシャーは、「Goin' Home」の作詞にあたって、黒人英語風の表記を用いるなど霊歌を思わせる演出も加えていた。フィッシャーの歌詞における「home」は「家」ではなく、「故郷」という意味と、キリスト教的な、死後に救済された魂が赴く場所としての「天上の故郷」という意味が重ねられている。 キャストがすべて黒人という、キング・ヴィダー監督による1929年の映画『ハレルヤ (Hallelujah)』では、終幕で「Goin' Home」が歌われる。
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