桜画報とは? わかりやすく解説

櫻画報

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/03 05:23 UTC 版)

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櫻画報』(さくらがほう)は、学生運動が下火になり始めてきた1970年から1971年にかけて『朝日ジャーナル』と『ガロ』に連載された赤瀬川原平作の漫画

概要

この漫画は、そもそも学生闘争にノリでこれといった思想もなく暴動への興味本位から参加する野次馬学生たちのために書かれたものである。この漫画ははじめ朝日ジャーナルのグラビアページに掲載されていた。作品中では、櫻画報社が朝日ジャーナル誌をのっとり、同誌を桜画報の“包装紙”とし、さらに刊行元である朝日新聞社を“古新聞、古雑誌”を生産する“古紙回収業者”としている。このような“のっとり”をはじめ、この作品には多くのパロディーや言葉遊びが含まれていて、現代のパロディーの原点も見受けられる。

朝日ジャーナル回収事件

「朝日ジャーナル」での最終回(1971年3月19日号)では、同「画報」中「アカイ アカイ アサヒ」という文が、水平線から朝日新聞の題字が太陽の代わりに昇るイラストにそえられ、欄外には「朝日は赤くなければ朝日ではないのだ。ホワイト色の朝日なんてあるべきではない。せめて桜色に」という文が記載されていた。また、この最終話に「サテ今度は……ドコを乗っ取るかナ?」と新聞雑誌名が300種以上手書きで記載されたのも版元上層部の神経を逆撫でしたとされている。当時、「新左翼の機関誌」とも言われた『朝日ジャーナル』の左偏重を朝日新聞上層部が危惧していた状況下で発表された赤瀬川の当該の漫画に朝日新聞社の常務会は全員一致で、同誌の自主回収を決定した。回収の理由は、ヌードの表紙と赤瀬川の「櫻画報」が読者に誤解を与えかねないというものだった。この事件で編集長が更迭された他、連載の打ち切り、朝日新聞出版局では61名の人事異動がなされ、『朝日ジャーナル』自体も2週間にわたって休刊した[1][2][3]

櫻画報をまとめた出版物として

が存在する。

出典

  1. ^ 堀田貢得『何が週刊誌を凋落させたのか!? 体験的出版ジャーナリズム論』大村書店、2006年、p.296。
  2. ^ 竹内オサム『戦後マンガ50年史』筑摩書房、1995年、pp.110-111。
  3. ^ 宮森雅照「『朝日ジャーナル』回収事件顛末 ―雑誌にとっての編集権を考える―」『出版の検証 敗戦から現在まで 1945〜1995』文化通信社、1996年、pp.116-119。

櫻画報

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 00:51 UTC 版)

赤瀬川原平」の記事における「櫻画報」の解説

ガロ1970年6月号に掲載された「お座敷」で漫画家デビュー1970年代から『朝日ジャーナル』(朝日新聞社)や『月刊漫画ガロ』(青林堂)などで漫画家として活動したつげ義春の「ねじ式」のパロディである予告漫画「おざ式」(『ガロ1973年7月掲載)などを発表した。 『朝日ジャーナル』に連載した『櫻画報』では「櫻画報こそ新聞であり、この周りにある『雑誌状の物』は櫻画報の包み紙である」と主張最終回1971年3月19日号)では、「アカイアカイアサヒアサヒ」という国民学校時代国語教科書例文パロディ化し、挿絵水平線から昇る太陽を『朝日新聞』のロゴ描き換えイラスト描いたヌード表紙赤瀬川の「櫻画報」が読者誤解与えかねないことを理由として、当該号は自主回収された。この事件編集長更迭された他、朝日新聞出版局では61名の人事異動がなされ、『朝日ジャーナル自体2週間わたって休刊した。 その後、『櫻画報』の連載は『ガロ』等で復活し、他にも様々な雑誌を「雑誌ジャック」した。また、松田哲夫南伸坊とともに結成した「櫻画報社」で「論壇人間関係図」等を発表した詳細は「櫻画報」を参照 また1976年から、『週刊読売誌上で「全日本満足問題研究会」(赤塚不二夫赤瀬川原平奥成達高信太郎長谷邦夫)と名乗りバカなことを真面目にやる」連載行った1978年には「赤塚不二夫全日本満足問題研究会」と名称を変えLPレコードライヴ・イン・ハトヤ』を発表した

※この「櫻画報」の解説は、「赤瀬川原平」の解説の一部です。
「櫻画報」を含む「赤瀬川原平」の記事については、「赤瀬川原平」の概要を参照ください。

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