柳田民俗学の解釈とその問題、改善点とは? わかりやすく解説

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柳田民俗学の解釈とその問題、改善点

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 19:37 UTC 版)

「墓」の記事における「柳田民俗学の解釈とその問題、改善点」の解説

日本における墓制は、柳田國男民俗学の研究土台になってきた。柳田民俗学は、人間肉体から離れる霊魂存在重要視したため、遺体埋め埋め墓葬地)とは別に、人の住む所から近い所に参り墓を建て(祭地)、死者霊魂はそこで祭祀するという「両墓制」が、日本ではかつては一般的だった、としている(葬地石塔隣接させるのが「単墓制」としている)。そのため、遺体埋葬する墓所はあったが、墓参りなどの習慣はなく、従来日本では全く墓は重視されなかったとしている。なお、「埋葬」とは、死体土中葬ることである。(墓地埋葬に関する法律第2条) しかし、このような墓制には批判出てきている。岩田重則は、『「お墓」の誕生』(岩波新書)の中で、墓制遺体の処理形態遺体遺骨か) 処理方法埋葬か非埋葬か) 二次的装置石塔建立、非建立) の3つの基準分類している。(現在一般的なお墓」は、「遺骨・非埋葬石塔建立型」)。墓に石塔ができてきたのは仏教影響と関係の強い近世江戸時代あたりからであり、それ以前遺体燃やされずに埋葬され石塔もなかった(「遺体埋葬・非建立」型)。また、浄土真宗地域および日本海側では、伝統的に火葬が行われ、石塔建立されなかった(遺骨埋葬/非埋葬・非建立型)。このように柳田のいう「単墓制」「両墓制」というのは特に「遺体埋葬建立型」に限った議論において、葬地と祭地が空間的に隔たっていることの分類過ぎず日本全国多様な墓制歴史的変遷対応させるには無理があるとの批判である。 日本でも沖縄では、亀甲墓(かめこうばか、きっこうばか)や破風墓(はふばか、家型の墓)など、中国南部風の、本州異なる墓も見られる亀甲墓形状について、「人は死んだら再び母親胎内戻っていくという趣旨で、その胎内かたどったもの」という説明がよくされるが、俗説である。沖縄では埋葬がなく本土墓制との議論難しい。風葬参照(現在でも沖縄県一部では、墓はただの納骨所として、祭祀対象としていないところも存在する)。宮古島石垣島には、崖下墓があり、宮古島市島尻には3つの郭がある、石組みグスク囲った大きな墓(長墓)があり、多数の骨があるが、祭祀が行われたかは不明である。最近科学メス入れられつつある。また、過去には沖縄似た墓制であった奄美群島は、現在では本土墓制準拠しており、風葬などは行われていないが、奄美大島には沖縄本島から移植された「城間トフル墓群」と呼ばれる墓群がある。

※この「柳田民俗学の解釈とその問題、改善点」の解説は、「墓」の解説の一部です。
「柳田民俗学の解釈とその問題、改善点」を含む「墓」の記事については、「墓」の概要を参照ください。

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