柔道部部長と監督の解任
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 03:21 UTC 版)
「女子柔道強化選手への暴力問題」の記事における「柔道部部長と監督の解任」の解説
9月5日には今回の騒動を受けて天理大学が学内における意思決定機関である全学協議会を開いて、柔道部部長の藤猪省太と監督の土佐三郎の解任を公表した。なお、土佐は「誰でも務まるわけではない」として、寮の舎監には留まることになった。さらに柔道部の活動自体に対しても、今回の件に直接関わりのない女子部員をも含めて連帯責任として、再発防止策が確認されるまで無期限の活動停止処分を下すことになった。これにより柔道部部員は7日から始まる全日本ジュニアを始めとした各種大会に出場することのみならず、練習さえも出来なくなった。1年生に暴行を振るい鼓膜を破るなどのケガをさせた4年生4名は8月26日付けから30日間にわたる停学処分となった。暴行現場にいながらも暴力は振るわなかったとされる大野を含む2名の4年生は厳重注意となった。また、大野は主将の座を解任された。一方、奈良県警も今回の件で大学当局や暴行した部員などから詳しい事実経緯についての聞き取りを始めることになった。 またこの日、全柔連は柔道部部長の藤猪、監督の土佐、監督代行の正木嘉美の3名を東京に呼び出して、暴力事件の経緯及び全柔連への報告が遅れた点などに関する事情を大学側が用意した資料を基に聞き出した。来週にも大学側からの再調査報告を受けて、藤猪らの処分を検討する懲罰委員会を立ち上げることになった。なお、藤猪がすでに提出していた全柔連理事の辞表届けは5日付けで受理された。さらに専務理事の近石は、今後の展開次第では世界チャンピオンである大野が全柔連の強化指定選手から外される可能性もあることを示唆した。 IOC総会に出席するためブエノスアイレスに赴いていた文部科学大臣の下村は、今回の件について「本当に残念だ。(全柔連)新体制の下でのスタートだと国民も期待していたところだったと思う。徹底して全て洗い直してほしい。」と語った。オリンピック東京招致の協力で同じくブエノスアイレスに滞在している全柔連副会長の山下も「(暴力根絶は)簡単ではない。とにかく隠さないことが大事。(過去に)ある程度容認されていたことも、これからはそうじゃない。」と述べた。 9月7日に全日本学生柔道連盟は加盟304校に対して、暴力問題の有無に関する調査を1ヶ月をめどに求める方針を示した。大野ら天理大学所属の強化指定選手に対する処分は全柔連の決定が下されるまで保留することになった。
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