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かしわ餅


かしわ‐もち〔かしは‐〕【×柏餅】

読み方:かしわもち

しんこ餅平たく楕円形にのし、小豆あん味噌あん入れて二つ折りにし、カシワ若葉包んで蒸した菓子端午の節句供物とする。《 夏》「手づくりの—とて志野の皿/秋桜子

二つ折りにした布団くるまって寝ること。


かしわもち〔柏餅〕

五月節句供え物柏の葉包んだ菓子
古代食物柏の葉盛られたなごりを示す。関東では1包み関西は2で包む。新し成長してから古い落ちるためめでたい植物とされた。

柏餅

作者山口瞳

収載図書私本歳時記
出版社新潮社
刊行年月1992.6
シリーズ名新潮文庫


柏餅

読み方:カシワモチ(kashiwamochi)

カシワ包んだもち菓子

季節

分類 人事


柏餅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/01 16:32 UTC 版)

柏餅
贈答用の箱と柏餅
歌川広重『行書東海道 二川 猿が馬場之図』。店の左側の看板に「名物かしハ餅」と書かれている

柏餅(かしわもち)は、平たく丸形にした上新粉をはさんで二つ折りにし、カシワ又はサルトリイバラなどで包んだもの[1]端午の節句に供えられる節句餅の一種である[2]

概説

端午の節句に供えられる植物の葉で包んだ食べ物には、柏餅のほかちまきがある[2]。論文には「かしわもち型」と「ちまき型」を区別するため、「あん入りもちの上面・側面・下面の3方を1枚の葉で包む」もの(くるむタイプ)、「あん入りモチの上下面を2枚の葉で包んだ」もの(はさむタイプ)、「一枚の葉の上にのせた」もの(敷くタイプ)を「かしわもち型」とするものがある[2]

餡の種類は、つぶあんこしあんがポピュラーである。ただし、みそあんも用いられ、古い慣習では、こしあんの場合は葉の表面のつるつるな方を内側にし、みそあんの場合はつるつるした方を外側にしてくるんだとされる[3]

柏餅の歴史は江戸時代[4](徳川九代将軍家重から十代将軍家治の頃[3])からとされるが、葉で包まれた餅はそれより古くからあり、端午の節句に柏餅を供える風習が17世紀に江戸の武家社会で始まったとされる[2]。その由来はカシワの旧葉は新葉が展開するまで枝から落ちないことから、家系継続の象徴として縁起をかついだものとされる[2]。これが参勤交代などを通じて日本全国に行き渡ったと考えられている[2]

ただし、西日本でも葉で包んだ餅は古くから存在しており、端午の節句の風習が取り込まれた後も、地域に定着し、あるいは在来の葉で作られてきた餅とは置き換わらなかったとみられている[2]。特にサルトリイバラの葉は炊く葉(調理中に敷く葉)として利用されることもあり、柏餅の原型はサルトリイバラの餅であるとする説もある[2]

1930年代ごろまではカシワの葉を用いた柏餅は関東が中心であったが、韓国中国からカシワの葉が輸入されるようになったこともあり、カシワの葉でくるむ柏餅が全国的に主流となっている[2]

包んでいる葉は香り付けや包装を目的としたものであるため、食用には不適である[5][注 1]。個人によっては食べる場合も食べない場合も存在するが、一部では、材料費を抑えるためにカシワの葉を象ったビニールシートで餅を包んだものが売られている。

なお、節句餅に使用される利用植物については、カシワやサルトリイバラのほか、地域によって、コナラ、ネザサ類、アラカシアベマキクヌギササホオノキミズナラナラガシワマテバシイなども用いられる[2]

兵庫県高砂市鹿嶋神社の名物として通年販売され、柏餅を製造販売する店が参道に何軒かある[2]

韓国のマンゲトク

韓国ではサルトリイバラ韓国語でマンゲ)の葉で餅を包んだ「マンゲトク(망개떡[7]」という柏餅に似た食べ物が旧正月に食べられている[8]

伽耶およびイムジン戦役の時代から記録があると言われている[要出典]が、マンゲトクに使われている甘い餡は日本で16~17世紀頃に初めて登場し、日本統治時代に韓国に伝わったことから、マンゲトクは柏餅の起源ではない。

脚注

注釈

  1. ^ 宮内庁管理部の料理人であった渡辺誠は、自著の中で昭和天皇が柏餅を葉ごと食したエピソードを紹介している。渡辺が柏餅を皿に盛って供したところ、昭和天皇は皿に盛られた物は全て食用という認識から、「美味しくない」と述べつつも葉脈だけを残して完食した。食後、渡辺は女官から、あらかじめ葉を広げておくようにと叱られたという[6]

出典

  1. ^ 柏餅(かしわもち)とは - コトバンク”. 朝日新聞社. 2018年5月3日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k 服部保、南山典子、澤田佳宏、黒田有寿茂「かしわもちとちまきを包む植物に関する植生学的研究」『人と自然 Humans and Nature』第17巻第1号、兵庫県立人と自然の博物館、2007年、1-11頁。 
  3. ^ a b 牧幸男. “カシワ”. 長野県薬剤師会. 2025年11月1日閲覧。
  4. ^ 塩田芳之、小野謙二. “豆と生活 小豆と俳句(1)”. 公益財団法人日本豆類協会. 2025年11月1日閲覧。
  5. ^ “柏餅の葉っぱは、食べていいの?ところでこれって何の葉っぱ?”. 暮らしニスタ (主婦の友社). (2019年11月7日). https://kurashinista.jp/column/detail/4915 2020年7月13日閲覧。 
  6. ^ 渡辺誠『昭和天皇 日々の食』文藝春秋、2004年、43 - 46頁。ISBN 4163596704 
  7. ^ 【プチフード】日本の柏餅に似ている韓国のマンゲトッ! | ソウルナビ”. seoul. 2025年4月26日閲覧。
  8. ^ KTO, Korea Tourism Organization. “マンゲトク(サルトリイバラ餅)(망개떡) : 韓国観光公社公式サイト「VISITKOREA」”. マンゲトク(サルトリイバラ餅)(망개떡). 2025年4月26日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク


柏餅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 20:23 UTC 版)

「餅」の記事における「柏餅」の解説

柏の葉包んだ餅。小豆こしあん味噌あんなどを包む。自生少な近畿圏以西ではサルトリイバラ用いられることが多い。

※この「柏餅」の解説は、「餅」の解説の一部です。
「柏餅」を含む「餅」の記事については、「餅」の概要を参照ください。

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