サルトリイバラ科とは? わかりやすく解説

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サルトリイバラ科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/16 14:08 UTC 版)

サルトリイバラ科
Smilax aspera
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: ユリ目 Liliales
: サルトリイバラ科 Smilacaceae

4-12属、375種ほど。#下位分類を参照。

サルトリイバラ科(サルトリイバラか、またはシオデ科(シオデか)、Smilacaceae)は単子葉植物に属する。 従来ユリ科に含められていたが、形態が他のユリ科植物と大きく異なるためクロンキスト体系では独立の科とされている。

特徴

主に熱帯から亜熱帯にかけて分布し、いくつかの種は温帯に分布する。

低木または草本で、多くはつる性、または他の物によりかかって伸びる。葉は幅広い。4-12分類され、375ほどが知られている。 [1]

下位分類

クロンキスト体系でのサルトリイバラ科は4つのグループに分けられ、APG植物分類体系ではそれぞれを別の科としているが、そのうち狭義のサルトリイバラ科が圧倒的に多い。以下グループ(APG植物分類体系での科名)に分けて述べる。

Smilacaceae

狭義のサルトリイバラ科。は幅広い心臓形、托葉が巻きひげになっているのが特徴(一部の種は葉柄で巻きつく)。は単性花で雌雄異株のものが多く、小型の散形花序をつくるものが多い。果実は液果。

2ないし4属、約370種が世界的に広く分布する。日本にはシオデ(サルトリイバラ)属 Smilaxカラスキバサンキライ属 Heterosmilax の10種ほどが分布し、そのほか Pseudosmilax 属などに分けられる。

つる性草本シオデ Smilax riparia var. ussuriensis山菜として知られ、栽培も試みられている。木本サルトリイバラ Smilax china は茎にとげがあり、秋に赤く熟する果実が美しいのでいけばなに用いられる。また、西日本のかなり広範な地域では、柏餅カシワの葉の代用としてこれを用いる。

Philesiaceae

PhilesiaLapageria の2属2種。南米南部に分布する。花は大型で美しく、特にツバキカズラ Lapageria rosea はよく栽培され、チリ国花でもある。

Luzuriagaceae

DrymophilaEustrephusGeitonoplesiumLuzuriaga の4属5種ほど。南米南部とオーストラリア東部などに分布。

Rhipogonaceae

Rhipogonum の1属6種ほど。オーストラリア東部などに分布。

日本で見られる主な種

ヤマカシュウ(粘魚鬚[2]) Smilax sieboldii
やや弱いを持ち、サルトリイバラシオデの中間のような雰囲気。サルトリイバラと並んで生えていることも多い。
この2つはシオデに比べると林内より林縁で見ることが多い。
刺は触ってもあまり痛いものでなく、他の植物に寄りかかる道具程度のものと思われる。
サルマメ(山藜児[3]、金剛樹[3]) Smilax biflora var. trinervula
山間部で見られる、足元に生えている弾力のある小潅木で、ミヤマクマヤナギなどと共に見落とされやすい。かなり地味な植物だが意外と生えているようだ。
ヒメカカラ Smilax biflora
サルマメをさらに小さくしたような植物である。山野草として出回っている。
マルバサンキライ Smilax vaginata var. stans
ヤマガシュウと共に、石灰岩の露頭の多い地域では見られやすいといわれる。意外と葉は丸くはない。茎は丈夫。 サルマメなどと比べるとややすっきりとした印象を受ける。
カララもサンキライもサルトリイバラを指す。
マルバサンキライが見られる山では、サルマメもヤマガシュウも見やすい。
タチシオデ Smilax nipponica
シオデに比べると葉裏の白いもので、その名に反して基部が立ちあがっていない群落も見られる。
花被片が反り返るのがシオデ、そうならないのがタチシオデという識別方法もあるが、同様に反り返るのがヤマホトトギス、反り返らないのがヤマジノホトトギス。という見分け方があり、同じような環境に生えているので、あわせて覚えておくとよいかもしれない。この見分け方は失念しやすいので、出かける際にマイメモを持っていくのが便利。

参考文献

  1. ^ Smilacaceae in Flora of North America @ efloras.org(英語)
  2. ^ 井上辰雄 監修、日本難訓難語編集委員会 編『日本難訓難語大辞典』遊子館、2007年1月、250頁。ISBN 4-946525-74-2 
  3. ^ a b 『難訓辞典』東京堂出版、1956年。 

外部リンク


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