東海道・山陽新幹線「のぞみ34号」台車破損トラブル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 15:00 UTC 版)
「日本の鉄道事故 (2000年以降)」の記事における「東海道・山陽新幹線「のぞみ34号」台車破損トラブル」の解説
★2017年(平成29年)12月11日17時3分頃(車両障害、輸送障害) 博多発東京行き「のぞみ34号」(N700系5000番台 K5編成)車内で小倉駅にて乗務員らが異臭を確認し、その後13号車の乗客からも「車内にもやがかかっている」とする指摘があった。岡山駅から添乗したJR西日本の保守係員は「うなり音」を確認したが、東京の輸送指令は運行に支障なしとして運行継続を指示。新大阪駅で乗務員はJR東海と交替し、京都駅出発直後に車掌が 再び異臭を認めたものの、輸送指令(東海)は名古屋駅まで運行継続させ同駅でJR東海の保守係員が床下点検を行ったところ、13号車の歯車箱付近に油漏れが見つかり同列車は名古屋駅で運転を打ち切った。その後台車の側梁に10 cm以上に達する亀裂と、歯車箱と主電動機とをつなぐWN継手の変色も確認された。運輸安全委員会はこのトラブルを重く受け止め、新幹線としては初の「重大インシデント」に認定した。なお、このトラブルにより事故車が名古屋駅14番線ホームに12月17日まで停泊したため一部列車に遅延などの影響が出た。事故台車は同年2月に行った全般検査、10月に行った目視前検査ではいずれも異常は発見されなかったが、翌年2月にJR西日本は問題の台車の調査結果を公表し、破断部分付近の鋼材にばね座を溶接する際、両者を密着させるため側梁を削った際に規定厚さの7 mmよりも薄く4.7 mmまで削ったため、台車枠の強度が基準を下回っていた可能性が判明。さらにJR西日本の所有新幹線台車303台のうち、他の車両分の100台が規定厚さ未満まで削られていることも判明、当該台車は順次交換するとした。再発防止策として超音波探傷装置や台車温度検知装置などを活用し、安全の確保に努めると発表した。同形式を保有しているJR東海も同様の緊急点検を行った。 「のぞみ34号重大インシデント」も参照
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