東京スポーツ杯2歳ステークスとは? わかりやすく解説

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東京スポーツ杯2歳ステークス

(東京スポーツ杯3歳ステークス から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/26 03:27 UTC 版)

東京スポーツ杯2歳ステークス
第28回東京スポーツ杯2歳ステークス
(2023年11月18日)
優勝馬:シュトラウス
開催国 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 東京競馬場
2024年の情報
距離 芝1800m
格付け GII
賞金 1着賞金3800万円
出走条件 サラ系2歳(国際)(指定)
負担重量 馬齢(56kg、牝馬1kg減)
出典 [1][2]
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2022 東京スポーツ杯2歳ステークス

東京スポーツ杯2歳ステークス(とうきょうスポーツはいにさいステークス)は、日本中央競馬会(JRA)が東京競馬場で施行する中央競馬重賞競走GII)である。

寄贈賞を提供する東京スポーツ新聞社は、東京都江東区に本社を置き、北海道を除く全国で夕刊スポーツ紙を発行する毎日新聞傍系の新聞社[3]

正賞は東京スポーツ杯[2]

概要

1966年にオープン特別東京3歳ステークス(とうきょうさんさいステークス)」の名称で創設された、3歳(現2歳)馬による競走[4][5]。1968年より名称が「府中3歳ステークス(ふちゅうさんさいステークス)」に改められ、以来3歳オープンの特別競走として長らく施行してきたが、1996年に3歳重賞競走整備の一環として重賞(GIII[注 1])に格上げ、「朝日杯3歳ステークス(現:朝日杯フューチュリティステークス)」の前哨戦として位置づけられた[4][5]。あわせて指定交流競走にも指定され、地方競馬所属馬は2頭まで出走可能となった[4][5]

1997年より名称を「東京スポーツ杯3歳ステークス(とうきょうスポーツはいさんさいステークス)」に改め、2001年から馬齢表記を国際基準へ変更したのに伴い、現名称となった[4][5]。創設時の施行距離は芝1400mだったが、1984年より芝1800mに改められ、現在に至る[4][5]

格付表記は2007年に日本がパートI国へ昇格した際「JpnIII」へ変更。2010年には外国馬も出走可能な国際競走に指定され、国際格付の「GIII」に改められた[4][5]。2021年1月27日に日本グレード格付け管理委員会よりGII格付け申請が承認され、「GII」に昇格した[6][7]

2017年以後、本競走の上位馬が同年のGIホープフルステークスを経て、翌年(3歳時)以降のクラシック、その他GI級競走で活躍するケースが激増。2025年までの9年間の本競走勝馬だけでホープフルステークス勝馬4頭、後のダービー馬2頭、JRA賞年度代表馬ロンジンワールドベストレースホース各1頭を輩出し、格付けがGIIIからGIIに昇格するとともに、国際GIへの登竜門として競馬サークル全体の大きな注目を集める競走に成長した[5]

競走条件

以下の内容は、2024年現在[2][8]のもの。

出走資格:サラ系2歳

  • JRA所属馬
  • 地方競馬所属馬(後述)
  • 外国調教馬(優先出走)

負担重量:馬齢(牡馬セン馬56kg、牝馬55kg)


2017年からホープフルステークスのステップ競走に指定されており、地方競馬所属馬はホープフルステークスの出走候補馬(3頭まで)に優先出走が認められている[9]。また、本競走で2着以内の成績を収めた地方競馬所属馬にはホープフルステークスの優先出走権が与えられる[9]

なお、2016年までは朝日杯フューチュリティステークスのステップ競走に指定されており、地方競馬所属馬は朝日杯フューチュリティステークスの出走候補馬(2頭まで)に優先出走が認められていた[10][11]。また、本競走で2着以内の成績を収めた地方競馬所属馬には朝日杯フューチュリティステークスの優先出走権が与えられていた[10][11]

賞金

2024年の1着賞金は3800万円で、以下2着1500万円、3着950万円、4着570万円、5着380万円[2]

歴史

  • 1966年 - 3歳馬によるオープン特別「東京3歳ステークス」の名称で創設、東京競馬場の芝1400mで施行[5]
  • 1968年 - 名称を「府中3歳ステークス」に変更[5]
  • 1977年 - 出走申込が3頭しかなかったため、競走取りやめ[12]
  • 1995年 - 特別指定交流競走に指定され、地方競馬所属馬が出走可能になる[5]
  • 1996年 - 重賞(GIII[注 1])に格付け[5]
  • 1997年 - 名称を「東京スポーツ杯3歳ステークス」に変更[5]
  • 2001年
    • 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件を「2歳」に変更。
    • 名称を「東京スポーツ杯2歳ステークス」に変更[5]
  • 2002年 - 東京競馬場の改修工事により中山競馬場の芝1800mで施行。
  • 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、格付表記をJpnIIIに変更[5]
  • 2010年
    • 国際競走に指定され、外国調教馬が9頭まで出走可能となる[5]
    • 格付表記をGIII(国際格付)に変更[5]
  • 2021年 - GIIに昇格[6][13]

歴代優勝馬

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

コース種別を表記していない距離は、芝コースを表す。

競走名は第1回が「府中3歳ステークス」、第2回から第5回が「東京スポーツ杯3歳ステークス」[5]

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1996年11月17日 東京 1800m ゴッドスピード 牡2 1:49.7 石橋守 瀬戸口勉 近藤俊典
第2回 1997年11月15日 東京 1800m キングヘイロー 牡2 1:48.0 福永祐一 坂口正大 浅川吉男
第3回 1998年11月21日 東京 1800m アドマイヤコジーン 牡2 1:49.5 南井克巳 橋田満 近藤利一
第4回 1999年11月20日 東京 1800m ジョウテンブレーヴ 牡2 1:48.6 蛯名正義 相沢郁 田邉久男
第5回 2000年11月18日 東京 1800m タガノテイオー 牡2 1:48.5 藤田伸二 松田博資 八木良司
第6回 2001年11月17日 東京 1800m アドマイヤマックス 牡2 1:48.2 福永祐一 橋田満 近藤利一
第7回 2002年11月16日 中山 1800m ブルーイレヴン 牡2 1:50.2 武豊 角居勝彦 金子真人
第8回 2003年11月22日 東京 1800m アドマイヤビッグ 牡2 1:48.9 武豊 橋田満 近藤利一
第9回 2004年11月20日 東京 1800m スムースバリトン 牡2 1:48.2 蛯名正義 国枝栄 金子真人
第10回 2005年11月19日 東京 1800m フサイチリシャール 牡2 1:46.9 福永祐一 松田国英 関口房朗
第11回 2006年11月18日 東京 1800m フサイチホウオー 牡2 1:48.7 安藤勝己 松田国英 関口房朗
第12回 2007年11月17日 東京 1800m フサイチアソート 牡2 1:47.4 横山典弘 岩戸孝樹 関口房朗
第13回 2008年11月22日 東京 1800m ナカヤマフェスタ 牡2 1:47.7 蛯名正義 二ノ宮敬宇 和泉信子
第14回 2009年11月21日 東京 1800m ローズキングダム 牡2 1:48.2 小牧太 橋口弘次郎 (有)サンデーレーシング
第15回 2010年11月20日 東京 1800m サダムパテック 牡2 1:47.3 C.スミヨン 西園正都 大西定
第16回 2011年11月19日 東京 1800m ディープブリランテ 牡2 1:52.7 岩田康誠 矢作芳人 (有)サンデーレーシング
第17回 2012年11月17日 東京 1800m コディーノ 牡2 1:46.0 横山典弘 藤沢和雄 (有)サンデーレーシング
第18回 2013年11月16日 東京 1800m イスラボニータ 牡2 1:45.9 蛯名正義 栗田博憲 (有)社台レースホース
第19回 2014年11月24日 東京 1800m サトノクラウン 牡2 1:47.9 R.ムーア 堀宣行 里見治
第20回 2015年11月23日 東京 1800m スマートオーディン 牡2 1:49.5 武豊 松田国英 大川徹
第21回 2016年11月19日 東京 1800m ブレスジャーニー 牡2 1:48.3 柴田善臣 本間忍 島川隆哉
第22回 2017年11月18日 東京 1800m ワグネリアン 牡2 1:46.6 福永祐一 友道康夫 金子真人ホールディングス(株)
第23回 2018年11月17日 東京 1800m ニシノデイジー 牡2 1:46.6 勝浦正樹 高木登 西山茂行
第24回 2019年11月16日 東京 1800m コントレイル 牡2 1:44.5 R.ムーア 矢作芳人 前田晋二
第25回 2020年11月23日 東京 1800m ダノンザキッド 牡2 1:47.5 川田将雅 安田隆行 (株)ダノックス
第26回 2021年11月20日 東京 1800m イクイノックス 牡2 1:46.2 C.ルメール 木村哲也 (有)シルクレーシング
第27回 2022年11月19日 東京 1800m ガストリック 牡2 1:45.8 三浦皇成 上原博之 前田幸治
第28回 2023年11月18日 東京 1800m シュトラウス 牡2 1:46.5 J.モレイラ 武井亮 (有)キャロットファーム
第29回 2024年11月16日 東京 1800m クロワデュノール 牡2 1:46.8 北村友一 斉藤崇史 (有)サンデーレーシング

28頭の優勝馬のうち、平地GI優勝馬15頭、障害GI優勝馬2頭を輩出している。(詳細・出典は各優勝馬記事を参照のこと[14])

1995年までの優勝馬

施行日 競馬場 距離 条件 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
1966年11月3日 東京 1400m オープン ヤマニンカップ 牡2 1:27.3 藤本勝彦 藤本冨良 土井宏二
1968年11月23日 東京 1400m オープン スズサヤカ 牡2 1:25.5 増沢末夫 森末之助 小紫芳夫
1969年11月23日 東京 1400m オープン スイノオーザ 牡2 1:28.5 大久保哲男 久保田金造 桑島すい
1970年11月23日 東京 1600m オープン ヤシマライデン 牡2 1:38.4 伊藤正徳 尾形藤吉 小林庄平
1971年11月21日 東京 1600m オープン スズボクサー 牡2 1:38.0 小林常泰 森末之助 小紫芳夫
1972年11月26日 東京 1600m オープン ナスノチグサ 牝2 1:37.4 中島啓之 稲葉幸夫 那須野牧場
1973年11月25日 東京 1600m オープン カネミクニ 牡2 1:37.3 加賀武見 阿部正太郎 金指吉昭
1974年11月23日 東京 1600m オープン シャトードシンボリ 牡2 1:38.7 池上昌弘 保田隆芳 和田共弘
1975年11月22日 東京 1600m オープン スピリットスワプス 牡2 1:41.0 中野栄治 荒木静雄 ローヤル(株)
1976年11月21日 東京 1600m オープン マルゼンスキー 牡2 1:37.9 中野渡清一 本郷重彦 橋本善吉
1977年11月19日 競走取りやめ[12]
1978年11月19日 東京 1600m オープン シーバードパーク 牝2 1:38.1 小迫次男 本郷重彦 ホースマンクラブ
1979年11月18日 東京 1600m オープン リキウエーブ 牝2 1:40.3 嶋田功 山岡寿恵次 鬼嶋力也
1980年11月16日 東京 1600m オープン ヘーゼルブロンド 牝2 1:36.7 横山富雄 森安弘昭 カネツ競走馬(株)
1981年10月17日 東京 1400m オープン トウショウペガサス 牡2 1:23.1 中島啓之 奥平真治 トウショウ産業(株)
1982年10月23日 東京 1400m オープン デアリングパワー 牡2 1:24.8 加藤和宏 二本柳俊夫 山形尚枝
1983年10月22日 東京 1400m オープン コンラートシンボリ 牡2 1:26.3 岡部幸雄 田中和夫 和田共弘
1984年11月18日 東京 1800m オープン シリウスシンボリ 牡2 1:50.1 加藤和宏 二本柳俊夫 和田共弘
1985年11月17日 東京 1800m オープン スイートナディア 牝2 1:50.7 柴田政人 野平祐二 和田共弘
1986年11月16日 東京 1800m オープン サクラロータリー 牡2 1:49.7 小島太 境征勝 さくらコマース
1987年11月28日 東京 1800m オープン コクサイトリプル 牡2 1:49.5 柴田政人 稗田敏男 芦部博子
1988年11月26日 東京 1800m オープン サクラホクトオー 牡2 1:48.6 小島太 境勝太郎 さくらコマース
1989年11月25日 東京 1800m オープン アサヒパシィオン 牝2 1:48.6 中舘英二 石毛善衛 寺内倉蔵
1990年11月18日 東京 1800m オープン サクラヤマトオー 牡2 1:51.2 小島太 境勝太郎 さくらコマース
1991年11月17日 東京 1800m オープン マチカネタンホイザ 牡2 1:49.5 岡部幸雄 伊藤雄二 細川益男
1992年11月22日 東京 1800m オープン シュアリーウィン 牡2 1:49.1 小島貞博 戸山為夫 森岡一郎
1993年11月21日 東京 1800m オープン アイネスサウザー 牡2 1:51.2 横山典弘 本郷一彦 小林正明
1994年11月20日 東京 1800m オープン ホッカイルソー 牡2 1:49.6 蛯名正義 田中清隆 北海牧場
1995年11月19日 東京 1800m オープン バブルガムフェロー 牡2 1:50.0 岡部幸雄 藤沢和雄 (有)社台レースホース

東京スポーツが協賛するその他の寄贈賞

脚注・出典

注釈

  1. ^ a b 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。

出典

  1. ^ 重賞競走一覧(レース別・関東)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 42. 2021年11月10日閲覧。
  2. ^ a b c d 令和3年第5回東京競馬番組” (PDF). 日本中央競馬会. 2021年11月10日閲覧。
  3. ^ 2021年度第5回東京競馬特別レース名解説(第7日)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 3. 2021年11月10日閲覧。
  4. ^ a b c d e f レースガイド(東京スポーツ杯2歳ステークス) - netkeiba.com、2014年11月22日閲覧
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 今週の注目レース(第20回東京スポーツ杯2歳ステークス:歴史・プレイバック)”. 日本中央競馬会. 2015年11月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月16日閲覧。
  6. ^ a b 令和3年度の重賞競走の主な変更点について” (PDF). 日本中央競馬会. 2020年11月9日閲覧。
  7. ^ 東京スポーツ杯2歳ステークスおよび葵ステークスの格付け”. 日本中央競馬会. 2021年1月27日閲覧。
  8. ^ 競馬番組一般事項 V 出馬投票” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 18-24 (2021年). 2021年11月10日閲覧。
  9. ^ a b 「地」が出走できるGI競走とそのステップ競走について【令和3年度】” (PDF). 日本中央競馬会. 2021年11月10日閲覧。
  10. ^ a b 「地」が出走できるGI競走とそのステップ競走について(平成27年度)” (PDF). 日本中央競馬会. 2017年12月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月10日閲覧。
  11. ^ a b 競馬番組一般事項” (PDF). 日本中央競馬会 (2015年). 2017年12月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月10日閲覧。
  12. ^ a b 日本中央競馬会優駿』1978年1月号綴じ込みの競馬成績(p.462)
  13. ^ 東京スポーツ杯2歳ステークスおよび葵ステークスの格付け”. 日本中央競馬会. 2021年1月27日閲覧。
  14. ^ 記事未立項馬のスムースバリトンはGI未勝利。
  15. ^ 2022年大阪スポーツ杯成績netkeiba.com、2022年11月13日閲覧
  16. ^ 2022年九州スポーツ杯成績netkeiba.com、2022年11月13日閲覧

各回競走結果の出典

外部リンク





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