東の魔物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/01 07:53 UTC 版)
ヴィルトとラプンツェル以外に、東に属すると断定できる魔物は登場していない。 ヴィルト(声:小西克幸) ブラッドの友人。東を統べる魔物。『東の塔の闇の遣い』と呼ばれ、恐れられている。60年前の魔物狩りで南のシース・西のカウゼル・北のブラッドがそれぞれ寺院に捕らえられ手足を拘束され呪縛を受ける中、一人だけある程度の自由が認められている(その理由については「コウモリの朝」編で明らかになる)作品前半は、西でラプンツェルと二人で暮らしていたが、後半で元の東の塔に住居を移した。ブラッドとは旧知の仲で、信頼関係のある悪友といった関係。 元・人間。人間の頃の名前は『エイジャ』といい、普通の生活を嫌っていた。家族の血肉と引き換えに魔物となる。 東の塔に住んでいる時、自身で育てていた「ちしゃのみ」と引き換えに人間の夫婦からラプンツェルを奪う。この出会いが、彼の運命を大きく変える事になる。荊を使役する事が多い。 幼いラプンツェルからは「魔法使いさま」と呼ばれていた。当初はお稚児趣味の金持ちに彼を売るつもりだったが、惜しくなって止める。以降、ともに暮らし始める。 ラプンツェルを闇の側に引き込んでしまった自責の念に苛まれていたが、ラプンツェルの言葉で救われる。 13巻以降は長髪をばっさりと切り短髪になる。 ラプンツェル・シーグラ(声:甲斐田ゆき) ヴィルトに「ちしゃのみ」の代わりとして誘拐され、育てられた人間。イシュカとは違う意味で綺麗な存在。れっきとした成人男性であるが、その「綺麗さ」から作者ですら彼が男性である事を忘れてしまうほどの美人。しかし、性格は中々に頑固で強情。自分を親元から引き離した事に罪悪感を抱き、自身が犠牲になる事で自由を与えようとしたヴィルトに、いかに自分がヴィルトを思い慕っているかを打ち明けた姿にそれがうかがえる。 ヴィルトをと共に長い年月を生きる為、自ら不老長寿の術をかけてもらうが、ある日突然金髪が黒髪に、青い瞳が黒に染まる。ヴィルトが「おまえだけは闇に染まらないで欲しい」と願っている事を知っており、闇に染まった自分を見たらヴィルトに嫌われるかもしれないと恐怖し、姿かえの術で金髪に青い瞳に変化していた。呪文の読み方はヴィルトに習っていたが、不老長寿の術で延命している人間に過ぎないため、特別な力はない。それでも姿かえの術が成功したのは、ヴィルトに対する強い思いゆえである。 幼い頃にヴィルトに浚われてきて以来、ヴィルトを「恐ろしい魔物」ではなく、自分を助けてくれた「魔法使いさま」だと思っていたが、ある出来事をきっかけに真実を知り、一度ヴィルトの元を離れる(→「ラプンツェル」編)しかし、自分の意志でまたヴィルトの元に戻ってくる。 ヴィルトとラプンツェルの出会いはグリム童話の『ラプンツェル』の物語がベースとなっていると推測される。 作中で「ラプンツェル」は「ちしゃのみ」(ノヂシャの実)と訳されているが、ノヂシャの食用部分は「実」ではなく「葉」である。 作者はこのことを「ファンタジー的解釈」と発言している。
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