本懐を知る
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/06 15:25 UTC 版)
書き下ろし 次の連載のネタ探しの最中、ライターの兼先守は10年以上前ではあるが弁護士が実刑を受けた珍しい事件が気になった。その弁護士の名前は佐方陽世。顧問弁護士を務め、財産管理を任されていた「小田嶋建設」の会長が他界した後、その金を横領したのだという。警察や検察の取り調べには完全黙秘を貫き、「自分が使うために(口座に)移した」としか言わず具体的な金の流れに一切言及しなかったため、求刑3年6ヵ月、懲役2年の実刑判決を受けた。弁護士ならば、いくらでも示談や起訴猶予に持ち込めたはずなのに、この男は控訴すらしていない。何かがあると睨んだ兼先は事件を調べ始め、そして陽世の息子である佐方貞人の元を訪れた。※それぞれのリンク先も参照 兼先 守(かねざき まもる) 広島で地元紙「安芸(あき)新聞」の記者を経て、現在はニュース週刊誌「ピックアップ」の専属ライター。佐方陽世が逮捕された事件に目をつけ、取材する。酒と煙草は死ぬまで辞めないと宣言していたが、1年前の健康診断で糖尿病予備軍と診断されてから、酒と煙草を絶っている。 小林 太志(こばやし たいし) 「ピックアップ」の政治専門のジャーナリスト。まだ30代後半だが、額の生え際が後退しているため、実年齢よりも老けてみえる。 細田 孝文(ほそだ たかふみ) 安芸新聞社社会部。兼先がまだ安芸新聞社社会部で一緒に働いていた時の後輩。兼先の4つ年下で40を回ったばかり。学生時代に柔道をしていて胸板が厚く肩幅が広かったため、”太田”と呼ばれていた。辞表を出した兼先を引き止めた唯一の人間。 佐方 陽世(さかた ようせい) 佐方貞人の父。広島で弁護士事務所を開業していたが、47歳の時に業務上横領の罪で逮捕され、懲役2年の実刑判決を受ける。 篠原 宗之(しのはら むねゆき) 現役の弁護士。佐方陽世とは司法修習生時代の同期。広島で弁護士事務所を営んでいる。兼先よりひと回り以上年上。 小田嶋 隆一朗(おだじま りゅういちろう) 佐方陽世が顧問弁護士をつとめていた「小田嶋建設」の創業者であり会長。現在は他界している。 小田嶋 一洋(おだじま かずひろ) 小田嶋 隆一朗の長男。父・隆一朗の亡き後、「小田嶋建設」を継いで社長となる。横領の罪で逮捕された陽世に対しては、恩をあだで返したと嫌悪感を持ち続けている。 清水 亮子(しみず りょうこ) 「小田嶋建設」元従業員。広島市内北部の春日町、熊野神社の近くに在住。10年以上、小田嶋隆一郎と佐方陽世の墓参りを欠かさなかったが、現在は肺を患い入院中。 清水 沙代(しみず さよ) 亮子の娘。薬剤師。
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