業をおろす
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/06 15:25 UTC 版)
初出:2012年8月 『このミステリーがすごい!』大賞作家書き下ろしBOOK 佐方は父・陽世の十三回忌のため、故郷の次原市へ帰る。しかし目的はそれだけではなかった。法事が執り行われる曹洞宗龍円寺の住職であり、佐方の父・陽世の高校時代の親友でもある上向井英心に、なぜ陽世が横領したと言われた金を裁判になる前に返済しなかったのか、なぜ裁判前に返済すれば実刑にはならなかったことを弁護士として知っていながらそれをしなかったかということの真相を聞くためである。法事には思わぬ人物も現れ、そして佐方は父の想いを知る。『検事の本懐』収録の短編「本懐を知る」完結編。 上向井 英心(うえむかい えいしん) 曹洞宗龍円寺の住職。県北では名刹として知られ、”龍円さん”と呼ばれている。佐方のことは”貞坊”と呼ぶ。陽世とは高校時代の親友で、いつも陽世が1番、英心が2番だった。高校卒業後は実家のあとを継ぐため、奈良県にある仏教系の大学に進学、僧侶免許を取得。本山で住職研修を受け、23歳で龍円寺の副住職に就任した。 上向井 多恵子(うえむかい たえこ) 英心の妻。もうすぐ還暦を迎える。 美代子(みよこ) 佐方敏郎の妹。長男と末っ子ということもあり、敏郎とは歳が20近く離れているが、自身も数年前に還暦を迎えた。呉原市在住。夫を早くに亡くし、小学校の教諭をしながら独居暮らしをしてきた。中学卒業と同時に預かった佐方を実の子のように育てた。佐方からすると大叔母にあたるが、そう呼ぶと一気に歳をとったようで嫌だと言うため、佐方は「美代子おばさん」と呼ぶ。 佐方 敏郎(さかた としろう) 佐方の祖父で陽世の父。82歳。広島県次原市山田町で現在もまだ農業を営んでいる。 佐方 スエ(さかた すえ) 佐方敏郎の妻で佐方の祖母。80歳。 篠原 宗之(しのはら むねゆき) 現役の弁護士。佐方陽世とは司法修習生時代の同期。広島で弁護士事務所を営んでいる。 小田嶋 一洋(おだじま かずひろ) 「小田嶋建設」現社長。故・小田嶋隆一朗の長男。60代前半。太い眉と角ばった顎が意志の強さを感じさせる。 清水 沙代(しみず さよ) 故・清水亮子の娘。長い黒髪をしている。20代半ば。 大葉 厚子(おおば あつこ) かつて陽世の弁護士事務所で事務員として働いていたが、陽世が逮捕された後は別の弁護士事務所に移った。髪の短い小柄な女性。50歳くらい。娘がいる。 香苗(かなえ) 70歳前後。16年前、陽世が扱った殺人事件の被害者の妻。丸顔で、髪は短く黒々と艶めいている。
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