末木文美士とは? わかりやすく解説

末木文美士

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/26 07:56 UTC 版)

末木 文美士
人物情報
生誕 (1949-09-06) 1949年9月6日
日本山梨県甲府市
出身校 東京大学
学問
研究分野 宗教学仏教学思想史
研究機関 東京大学国際日本文化研究センター
学位 博士(文学)
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末木 文美士(すえき ふみひこ、1949年9月6日[1] - )は、日本仏教学者国際日本文化研究センター名誉教授総合研究大学院大学(総研大)名誉教授、東京大学名誉教授。

経歴

1949年、山梨県甲府市で生まれた[2]山梨県立甲府第一高等学校で学び、この高校時代に嶋田義仁、五十嵐勉らと親交を結んだ。1968年に卒業し、東京大学文学部に進んだ。一旦は哲學専修課程に進むが、1年後に印度哲学専修課程に転じ、1973年に卒業。同大学院人文科学研究科に進み、1978年に博士課程を単位取得退学

その後は東京大学文学部助手となった。1981年からは財団法人東方研究会専任研究員。1986年、東京大学文学部助教授に就任。1993年、東京大学に学位論文『平安初期仏教思想史研究-安然の思想形成を中心として』を提出して博士(文学)の学位を取得[3][4][3][2]1995年、同教授に昇進。2009年に東京大学を退任し、名誉教授となった。

その後は国際日本文化研究センター教授[3]総合研究大学院大学文化科学研究科国際日本研究専攻教授を兼任。2015年に国際日本文化研究センターを定年退任し、同名誉教授となった。学界では、2011年6月より比較思想学会会長を務めている。

受賞

  • 第68回毎日出版文化賞受賞(企画部門)を受賞。共同編集『仏教の事典』(2014)に対して。

研究内容・業績

思想史研究

専攻は仏教学日本仏教を中心とした日本思想史宗教史。中世仏教史研究の分野でで知られていたが、近年は近現代の仏教思想にも関心を拡げている。末木曰く、従来の日本における近代思想史研究は福澤諭吉丸山眞男らの社会思想の側面でしか検討されてこなかった。そういった表層の思想史ではなく日本人の基層にある精神史を読み解こうと模索している。

師、指導学生

人物・思想

歌人として

高校時代から短歌の創作を始める。甲府時代は地元結社に所属していたが、上京後宮柊二の『コスモス』に参加。宮柊二に愛され、『コスモス』期待の若手の一人と目された。短歌はその後も続けるが、研究生活を優先させ、短歌界とは距離を取っている。なお夫人の節子も歌人。

交遊
  • 五十嵐勉 - 高校時代以来の親友。
  • 嶋田義仁 - 高校時代以来の親友。
「震災天罰論」をめぐる論争
  • 中外日報2011年4月26日号に「東日本大震災は日本への天罰である」という主旨の論稿[5]を発表し、これが激しい批判の対象となって論争が巻き起こった[6][7][8]
  • 東京新聞2011年9月24日号(朝刊)に寄稿した「問い直される日本の仏教(中)」という記事の中でも前出の自説を撤回しておらず、2011年11月まで批判論者との論争が行われ[9]、2012年7月に鶴見大学で行われた日本印度学仏教学会学術大会でも「震災と仏教」の題で討論が行われた。

家族・親族

著書

単著

共著・編著・共編

訳・解説

論文

外部リンク

注釈・出典

  1. ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.322
  2. ^ a b 末木文美士『仏教vs.倫理』筑摩書房、2006年3月、著者紹介(裏表紙)頁。ISBN 4-480-06287-4 
  3. ^ a b c 末木 文美士|国際日本文化研究センター(日文研)”. 国際日本文化研究センター. 2017年5月26日閲覧。
  4. ^ CiNii(博士論文)
  5. ^ bunmaoのブログ・2011年5月 5日 (木)天罰問題元原稿
  6. ^ ひじる日々・2011-09-24 末木文美士氏との論争まとめリンク(佐藤哲朗)
  7. ^ もろ式:読書日記・2011-09-12末木先生のご意見に対して(師茂樹)
  8. ^ bunmaoのブログ・2011年5月 5日 (木)大震災に関して、ご批判に答える
  9. ^ bunmaoのブログ・2011年9月12日 (月)自然災害説は間違っている
  10. ^ 解説は橋本治
  11. ^ 解説は花野充道(「法華仏教研究」編集長)
  12. ^ 解説は若松英輔
  13. ^ 文庫解説は各・中島隆博が担当。
  14. ^ シリーズ全15巻で、中島隆博と責任編集。
  15. ^ シリーズは全15巻で、編集委員(11・14・15巻に寄稿)
  16. ^ 他に中田定観(住職)が執筆。
  17. ^ 改訂版の編者代表
  18. ^ 中島隆博若松英輔安藤礼二中島岳志との討議による共編
  19. ^ 現代語訳。前者は『真言宗教時義』『菩提心義抄』、後者は『一乗要決』、『阿弥陀仏白毫観』を収録。
  20. ^ 前者を担当。後者は梶山雄一が担当。




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