有界変動函数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/19 09:36 UTC 版)
解析学における有界変動の函数(ゆうかいへんどうのかんすう、英: function of bounded variation)あるいは有界変動函数(BV-function; BV函数)は、その変動が有界、すなわち全変動が有限値となるような実数値函数を言う。この性質は函数のグラフが以下に述べる意味において素性のよい (well behaved) ものであることを述べるものである。話を一変数の連続函数に限定すれば、有界変動であることはその連続函数のグラフ上を奔る動点の(x-軸方向への寄与分は無視して)y-軸方向への移動距離が有限であることを意味する。多変数の連続函数の場合にもこれは同様の意味を持つのであるが、考えるべき動点の辿る連続な路としては、与えられた函数のグラフ全体(今の場合これは超曲面になる)を取ることができないという事実があるので、函数のグラフと固定された x-軸および y-軸に平行な任意の超平面との交叉を取る必要がある。
- ^ トネリが導入したものは、今日ではトネリに因んでトネリ平面変動 (Tonelli plane variation) と呼ばれるものである。この概念および関連するほかの一般化に関する解析は全変動の項を参照せよ。
- ^ Hazewinkel, Michiel, ed. (2001), "Jordan decomposition of a function", Encyclopaedia of Mathematics, Springer, ISBN 978-1-55608-010-4。
- ^ 例えば Kolmogorov & Fomin (1969, pp. 374–376).
- ^ この話題に関する一般論は Riesz & Szőkefalvi-Nagy (1990) 参照.
- 1 有界変動函数とは
- 2 有界変動函数の概要
- 3 一般化
- 4 関連項目
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