重み付き有界変動函数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/17 03:00 UTC 版)
「有界変動函数」の記事における「重み付き有界変動函数」の解説
全変動(英語版)の概念を一般化して、重み付き全変動を考えることができる。より精確に、任意の単調増大函数 φ: [0, +∞) → [0, +∞) で φ(0) = φ(0+) = limx→+0 φ(x) = 0 を満たすものを重み函数(英語版)とし、f: [0, T] → X は実数直線内の区間 [0, T] ⊂ ℝ 上で定義されノルム空間 X に値を取る函数とする。このとき、f の [0, T] 上の φ-変動は V φ , [ 0 , T ] ( f ) := sup ∑ j = 0 k φ ( ‖ f ( t j + 1 ) − f ( t j ) ‖ X ) {\displaystyle V_{\varphi ,[0,T]}(f):=\sup \sum _{j=0}^{k}\varphi (\|f(t_{j+1})-f(t_{j})\|_{X})} で定義される。ここで、ふつうは、上限 sup は区間 [0, T] の有限分割(すなわち 0 = t0 < t1 < ⋯ < tk = T を満たす実数 ti からなる有限集合)全てを亙ってとる。 もともとの全変動は重み函数 φ が恒等写像で与えられる特別な種類の φ-変動として考えることができる。そこで可積分函数 f が重み φ に関する重み付き有界変動函数あるいは重み φ-付き有界変動函数、φ-BV函数とは、その φ-変動が有限となることと定める。 f ∈ B V φ ( [ 0 , T ] ; X ) ⟺ V φ , [ 0 , T ] ( f ) < + ∞ . {\displaystyle f\in BV_{\varphi }([0,T];X)\iff V_{\varphi ,[0,T]}(f)<+\infty .} 空間 BVφ([0, T]; X) はノルム ‖ f ‖ B V φ := ‖ f ‖ ∞ + V φ , [ 0 , T ] ( f ) {\displaystyle \|f\|_{BV_{\varphi }}:=\|f\|_{\infty }+V_{\varphi ,[0,T]}(f)} に関して位相線型空間を成す。ただし、‖ f ‖∞ は f の上限ノルムである。重み付き有界変動函数を導入し完全に一般に研究したのは Musielak & Orlicz (1959) である(Laurence Chisholm Young は正整数 p に対する φ(x) = xp の場合に先駆的な研究を残した)。
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