特殊有界変動函数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/17 03:00 UTC 版)
特殊有界変動函数(SBV函数)は自由不連続性変分問題を扱った論文 Ambrosio & De Giorgi (1988) で導入された。与えられた開集合 Ω ⊂ ℝn に対して特殊有界変動函数の空間 SBV(Ω) は BV(Ω) の真の部分空間になる。というのも、その空間に属する各函数の弱勾配は、以下の定義に見るように、 n-次元の台と (n − 1)-次元の台を持つ測度の(中間次元の項を持たない)和に表されるからである。 定義 局所可積分函数 u が SBV(Ω) に属するとは、以下の二条件がともに満足されることを言う: 二つのボレル可測函数(英語版) f, g: Ω → ℝn が存在して ∫ Ω | f | d H n + ∫ Ω | g | d H n − 1 < + ∞ {\displaystyle \int _{\Omega }\vert f\vert dH^{n}+\int _{\Omega }\vert g\vert dH^{n-1}<+\infty } を満たす。 Ω に含まれるコンパクト台を持つ任意の連続的微分可能ベクトル値函数 φ, すなわち任意の φ ∈ C 1c (Ω, Rn) に対して、等式 ∫ Ω u div ϕ d H n = ∫ Ω ⟨ ϕ , f ⟩ d H n + ∫ Ω ⟨ ϕ , g ⟩ d H n − 1 {\displaystyle \int _{\Omega }u\operatorname {div} \phi \,dH^{n}=\int _{\Omega }\langle \phi ,f\rangle dH^{n}+\int _{\Omega }\langle \phi ,g\rangle dH^{n-1}} が成り立つ。 ここで Hα は α-次元ハウスドルフ測度(英語版)である。 特殊有界変動函数の性質の詳細は参考文献節に挙げられた文献を参照、特に論文 (De Giorgi 1992) には有用な参考文献が挙げられている。
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