昭和以降の解釈
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水木しげるの著書では、「土転び」の表記で、2種類の妖怪が言及されている。ひとつは九州に出るとされ、内容は『妖怪談義』(柳田)のものとほぼ同じである。もうひとつは、中部地方によく現れたとされる。旅人が峠を歩いていると、後ろから何者かが追って来るような気配がし、慌てて走り出すと、藁打ち槌のような姿の土転びが転がって来て旅人を追い抜き、峠の下で待ち構えている。そのままなにも悪さをしないので、恐れずにそのまま通り過ぎれば無事に済むが、土転びのいる道を避けて通ろうとすると、山中に迷い込んでしまうという。旅人を守ってくれる峠の神ともいう。ただし、この説を裏付けるような民俗資料などの一次出典は確認されていない。水木の著書にある「土転び」は複数の伝承を複合し、さらに水木が自身の創作を加えて作り出したものと見られている。 大映映画の『妖怪百物語』(1968年)『東海道お化け道中』(1969年)に登場しており、毛むくじゃらの大きなダルマのような形でデザインされている。
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昭和以降の解釈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 09:12 UTC 版)
昭和以降の妖怪関連の書籍ではしばしば、油すましが以下のように解説されている。 全身に蓑を羽織った、すました顔の妖怪。油の入った瓶を持ち、峠に突如出現して通行人を驚かせる。正体は油を盗んだ罪人の亡霊。 「蓑を羽織った姿」とされるのは、漫画『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する、蓑を羽織った地蔵のような姿の油すましや、大映映画の妖怪シリーズ『妖怪百物語』『妖怪大戦争』に登場する油すましが、その後の各種媒体に影響を与えたためと見られており、映画『さくや妖怪伝』で大映映画の油すましのオマージュとして登場した妖怪「化け地蔵」も、このデザインを踏襲している。 これらのオリジナルは、『鬼太郎』の作者である妖怪漫画家・水木しげるの妖怪画だが、これは伝承とは無関係に描かれた創作であり、本来の天草の伝承像とは大きく異なるものと考えられている。雑誌『怪』での京極奨励賞を受賞した評論によれば、文楽に用いられる「蟹首」という名称の人形の頭がこの妖怪画のモチーフと指摘されており、妖怪研究家・京極夏彦も自著においてこの説を支持している。書籍によっては、すまし顔であることが「すまし」の名の由来とされているが、前述の『妖怪談義』では「すまし」の名の由来は不明とされる。また、児童向けの書籍では「頭が良い」「天才的」と解説されていることもあるが、これは前述の映画『妖怪大戦争』で油すましが参謀格として位置づけられていたことが由来と解釈されている。
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