昇圧から冷房改造まで
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「阪神3301形・3501形電車」の記事における「昇圧から冷房改造まで」の解説
1967年11月に、架線電圧を直流600Vから直流1,500Vへの昇圧を実施するとともに、ATSの取り付けが行われた。約半年後の1968年4月には神戸高速鉄道が開業し、同社を介した山陽電気鉄道への相互乗り入れを開始した。本形式も他の急行系車両と同様に山陽電気鉄道本線須磨浦公園駅まで乗り入れることとなったが、単車走行可能な特性を生かして、5 - 6連運行が常態化しつつあった本線の優等列車の増結車として活用される一方、2連運行が基本の三宮 - 西九条間の西大阪特急にも充当された。 3501形の冷房改造は、7801形、3521形に引き続いて、1973年から1974年にかけて実施された。奇数車と偶数車で固定編成となり、単車走行は不可能になった。制御装置は2両ユニットで抑速制動付きの三菱電機製1C8M(1台で8台の主電動機を制御する)方式のABFM-68-15-MDHAに換装されたほか、偶数車のパンタグラフは撤去され、制御装置は奇数車に、電動発電機や空気圧縮機は偶数車に設置された。冷房装置は分散式のMAU-13H形で、奇数車には6台、偶数車には7台搭載された。車内には補助送風機としてラインデリアも取り付けられたほか、冷房機搭載スペースを確保するため、パンタグラフは下枠交差式となり、取付位置は運転台側から連結面側に変更された。 3301形の冷房改造は、7801形2次車とともに、急行系車両最後の冷房改造車として1975年に施工された。改造内容は3501形とほぼ同じであるが、制御器の換装は実施されなかったほか、パンタグラフを神戸寄りに移設のうえ下枠交差式に換装した。床下スペースの関係から自車に冷房用電源を搭載できず、併結車両から受電する方式となった。単行運用の武庫川線では冷房は使用できず、ラインデリアのみを使用して運用していた。
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