日本における貨物線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 04:49 UTC 版)
日本においては鉄道路線は一般に旅客列車を中心に運行されることが多いが、創業時の鉄道は一般に貨物輸送が主体であった路線が多い。 特に、臨海鉄道と呼ばれる臨海工業地帯等に敷設する鉄道では、日本国有鉄道(国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物))と地方自治体・大口荷主である沿線工場立地企業が合同出資し、旅客列車が運行されず貨物列車のみを運行する路線が多い。 なお、都市部においては一般に旅客列車の本数が多いため、別路線を建設して比較的速度が遅くなる貨物列車をその新路線に移す工事が行われたことがある。この一例として、武蔵野線や京葉線は、貨物列車のバイパス線である東京外環状線の一部として建設された。 また、これ以前には山手線・東海道本線等において旅客列車を運行する線路と分離して複々線化されたことがある。 しかし、山手線では湘南新宿ライン・埼京線、東海道本線の場合はSM分離に伴う横須賀線列車の乗り入れなどで、現在では「貨物線」とされた軌道にも旅客列車が定期的に運行されることから、あまり意識されていないことが多い。山手線の場合は「急行線」または「列車線」、東海道本線の場合は「緩行線」または「電車線」的役割が強くなっている。 名古屋臨海高速鉄道あおなみ線も、元々は名古屋港西側への貨物支線だったのを地元の要望で旅客化したものである。また、おおさか東線は西日本旅客鉄道(JR西日本)の片町線の貨物支線である城東貨物線を改良し、新大阪駅から久宝寺駅の間で旅客営業する鉄道路線で、このうち南側の放出駅から久宝寺駅までが2008年3月15日に、北側の新大阪駅から放出駅までが2019年3月16日に開業した。 貨物線の旅客化(完全転換や日常的な併用)だけでなく、貨物専用線に旅客列車を臨時的に乗り入れさせるツアーも、首都圏で実施されている。 以下ではJR・各私鉄直営の路線について掲載する。臨海鉄道・鉱山鉄道・森林鉄道、その他各工場などの専用鉄道は関連項目の各項目を参照。 なお、これらには貨物列車が主に運行される鉄道路線だけでなく、歴史的経緯から貨物線と呼ばれる路線が含まれている。
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