日本における美人の比喩表現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 15:03 UTC 版)
日本では木花咲耶姫になぞらえて、正真正銘の美人を比喩する際に花が多く用いられる。たとえば、日本の美しくしたたかな女性たちを撫子の花に見立てて大和撫子と称する他、古来より和歌などのさまざまな場面で「花の比喩」が登場する。 立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花 花の色は移りにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに―小野小町 これは日本の文化(大和民族の文化)における伝統的美意識による発想である。たとえば金田一京助は、アイヌに「お前、桜の花きれいだと思わないか」と訊いたところ「きれいだ」と答えたので、「じゃ美人のときに、花のようだと言ったら」と重ねて問うと、「だって全然違うじゃないか。花はこんな形をしているし、顔とは全然違う」と笑われたと記している。 また、日本や中国では、美人を比喩したことわざ・四字熟語が多数存在 別嬪 - 詳細は「別嬪」を参照 「別品」(特別に良い品)から転じて美しいを表すようになり、のちに美人を表すようになった。「えらい別嬪」「別嬪さん」 名花 - 美人を花でたとえた比喩的表現。周囲から華やかで際立って美しる女性のこと。「舞踏界の名花」「社交界の名花」 小町 - 平安時代の美人で有名な小野小町の名が由来で、美しいと評判の名高い若い女性をいう語。「秋田小町」「小町娘」 シャン - ドイツ語のschön(美しい。の意)から美人をいう語。「バックシャン」(後ろ姿が美しい女性のこと) マドンナ - 多くの男性からあこがれの対象となる女性。美人。「クラスのマドンナ」「会社のマドンナ」 傾城(けいせい) - 。蠱惑的で妖艶な美女。「傾城の美女」 色女 - 魅惑的で色気のある美人、美女。「色女の艶姿」「婀娜っぽい色女」 美人には容姿端麗、美男子には眉目秀麗。 佳人薄命 - 美人は薄幸であるという意味。美人薄命、美女薄命ともいう。 手弱女 - しなやかでなよなよとして優美な女性。気立ての優しい女性。 八方美人 - どこから見ても美人という意味から、誰からもよく思われようとする人を表す言葉 明眸皓歯 - 杜甫の哀江頭で楊貴妃について書かれた表現 雲鬢花顔・雲鬢花顔金歩揺 - 白楽天の長恨歌で楊貴妃について書かれた表現 朱唇皓歯 - 微笑む女性の口紅と白い歯を表した表現 仙姿玉質 - 仙女の様な優雅な姿と玉のように滑らかな肌を表した表現
※この「日本における美人の比喩表現」の解説は、「美人」の解説の一部です。
「日本における美人の比喩表現」を含む「美人」の記事については、「美人」の概要を参照ください。
- 日本における美人の比喩表現のページへのリンク