日本における交流バイアス技術をめぐる小史とは? わかりやすく解説

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日本における交流バイアス技術をめぐる小史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 01:42 UTC 版)

テープレコーダー」の記事における「日本における交流バイアス技術をめぐる小史」の解説

東京通信工業東通工、現・ソニー)はいち早く交流バイアス技術重要性見抜き上記五十嵐悌二、石川誠永井健三による特許通称永井特許安立電気(現・アンリツ)が所有)を1949年日本電気共同購入した当時1946年創業したばかりの東通工にとって非常に高額な投資だったので日本電気 (NEC) に半分出してもらった)。交流バイアス技術現在のテープレコーダーにも使われているほど重要な技術で、この特許により他社東通工テープレコーダー音質に全く太刀打ちできず、東通工日本テープレコーダー市場で高いシェア占めることになった1952年連合国軍占領下の日本脱したその年に、東通工が、米国貿易業バルコム貿易日本輸入した米国テープレコーダー永井特許侵害しているとして、輸入販売使用陳列移動などを禁止する仮処分東京地方裁判所申請し9月15日東京バルコム貿易日本橋高島屋大阪心斎橋筋ミヤコ商会の三か所で米国テープレコーダー数十台が一斉に仮差押えされるという事件が起きた敗戦国中小企業戦勝国米国企業訴えたということ当時ニュースとなった交流バイアス技術米国ではイリノイ工科大学アーマー研究所 (Armour Research Foundation) のカムラス (Marvin Camras) の特許があり、米国らしくライセンスビジネス儲けていたのである。それで米国アーマー研究所から弁護士がやってきたが、大変なことがわかってきた。 実は永井特許米国にも出願されていたのだが、太平洋戦争始まりそれはうやむやになってしまい、カムラスの特許成立した。ところが永井氏の英語論文がカムラスの特許よりも早く米国公表されていたのである。これが本当なら米国でのカムラスの特許認められないことになり、日本国内どころか米国でのライセンスビジネス自体崩壊してしまう。このことからアーマー研究所大幅に譲歩し東通工アーマー研究所は「技術援助契約」を結ぶことで和解した。すなわち、日本国内では当然ながら永井特許が有効で、日本国内販売される米国テープレコーダーからは東通工日本電気永井特許の使用料が支払われる。また米国内販売される東通工ならびに日本電気テープレコーダー米国のカムラス特許無償使用できる。他の日本メーカー米国輸出するテープレコーダーに関しては、東通工アーマー研究所代理人としてカムラス特許実施許諾持ち特許使用料半分東通工支払われることになった東通工は「名を捨て実を取る和解をしたといわれる。 その一方で日本国内市場での東通工姿勢は非常に強硬で、国内他社には決し永井特許使わせなかった。そのため国内各社は相変わらず東通工テープレコーダー音質に歯が立たなかった。1954年赤井電機類似の「新交流バイアス技術使ったテープレコーダーキットを発売すると、東通工告訴した結果として和解)。しかし1955年には永井特許存続期間終了するはずで、国内各社交流バイアス技術使用したテープレコーダー商品化に向け準備進めていた。ところが戦争により特許充分行使できなかったという理由特許期間が 5 年延長されることになると国内各社怒り狂い東通工通商産業省(現・経済産業省)に対す反発強めた。あまりの風当たり強さ東通工1958年から永井特許実施許諾与えようになった(もちろん有償)。東京通信工業この年1月1日社名ソニー株式会社変更した

※この「日本における交流バイアス技術をめぐる小史」の解説は、「テープレコーダー」の解説の一部です。
「日本における交流バイアス技術をめぐる小史」を含む「テープレコーダー」の記事については、「テープレコーダー」の概要を参照ください。

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