日本における人権教育
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 23:00 UTC 版)
日本における人権教育は、かつての同和教育を継承・拡張させてきた側面を持ち、社会的少数者への認識を深め、差別に反対し平等な社会を築くことをめざした学習が中心となっている。 同和教育で問題にされたのは、被差別部落出身者に対する差別であった。しかし次第に内容が拡張され、在日韓国・朝鮮人の問題、女性の問題、障害者や高齢者の問題、子供の問題なども含めた人権問題一般を扱う人権教育に発展した。また、国による同和対策も進行して実体としての差別的状況がおおよそ改善されたこと、人々の意識に上る被差別部落が減ったことなどの状況の変化があり、地対財特法などの特別措置も期限が切れ、具体的対象が明確化しづらくなったこと(被差別部落というべき対象の形式的な消失)から、同和という言葉そのものの存在理由が見いだしづらくなり、かつての同和対策事業から人権啓発事業に切り替えられた。 なお、人権啓発および人権教育においては、あらゆる社会的少数者に目を向けなければならないといわれている。それは上記の事情のほか、人権問題において用いられてきた概念の変化にも影響している。 「在住外国人」:ニューカマーの急増により、在住外国人=韓国人・朝鮮人ではなくなった。 「障害者」:これまで障害と認識されなかったものが、障害と認識されるようになった(=「見えない」障害者の存在が知られた)。 学校教育においては、解放運動が盛んである近畿地方でよく行われている。特別活動や総合的な学習の時間、および社会科の時間に行われることが多い。また、日本国憲法や児童の権利条約のような抽象度の高い内容がある一方、同和問題・男女差別・外国人差別など、具体的なテーマに基づいたものも多い。
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