旋律とラーガ、楽器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 01:05 UTC 版)
「インドの伝統音楽」の記事における「旋律とラーガ、楽器」の解説
ラーガやターラは基礎に数百のラーガやターラを含んでいる。インドの伝統音楽は単旋律であり、単一のメロディーラインに乗っている。曲の演奏は、儀式的なやり方(まず通奏低音楽器、それから独奏者、それから伴奏者と打楽器奏者)で奏者が登場するところから始まる。メロディーは単一のラーガ(伝統的な旋律定型)に乗せ、リズムは単一のターラ(伝統的なリズム定型)に乗せる。演奏者は楽器の調律から始めるのだが、この作業はしばしば、それと分からないように音楽そのものの始まりと混ぜて行われる。 「ラーガ」を参照 ラーガは段階的に展開するメロディーで始まり、しばしば30分以上の長さになる。ラーガの始まりは、ヒンドゥスターニー音楽ではアーラープ、カルナータカ音楽ではアーラーパナムと呼ばれる。アーラープは多くの熱狂的ファンに愛されているが、そうでない人にとってはしばしば難解でもある。 ヒンドゥスターニー音楽ではひとたびラーガが始まると、モードの装飾音はリズミカルになり、次第に速くなる。この部分はジョルと呼ばれる。ジョルの後にクライマックスがあり、全てが停止して観客が拍手する。最後に打楽器奏者が独奏者と互いに影響しながら、演奏を始め、それから自然発生的で競争的なジャーラと呼ばれる部分に進む。 カルナータカ音楽のラーガは、一般的にテンポが速くより短い。演奏の最初には、ヴァルナムと呼ばれる形式の小曲が演奏されることが多く、これは演奏家にとってのウォームアップでもある。その後に祈祷と祝福の願いが続き、それからラガム(韻律に基づかないメロディー)の交替の連続、ターラム(装飾音。ジョルと同じ位置づけのもの)が続く。これはクリティと呼ばれる聖歌と互いに交じり合う。その後に、パラビ、またはラーガの主題が来る。 インドの伝統楽器には、ヴィーナ(ビーナ、弦楽器)、ムリダンガム(両面太鼓)、タブラ(対になった小太鼓)、カンジーラ、ガタム、タンプーラ (英語版)(弦楽器)、バンスリ (木製/竹製のフルート)、シタール、チトラ・ヴィーナ、ヴァイオリン、エスラジおよびサーランギ(弓で弾く弦楽器)などがある。 打楽器奏者は、曲の始めに独奏者と音程が合っていることを確かめるため、皮を固定する皮ひもに挟んだ木片を槌で叩く・皮の表面を湿らせる等の方法で調律を行う。また、このほかよく使われる楽器として紐付きタンブーラ(タンプーラとも呼ばれる)がある。これはラーガ全体を通して基礎となる一定の音程を維持するための通奏低音を出すために使われる。この単調な仕事は、独奏者の見習いが受け持つのが伝統である。
※この「旋律とラーガ、楽器」の解説は、「インドの伝統音楽」の解説の一部です。
「旋律とラーガ、楽器」を含む「インドの伝統音楽」の記事については、「インドの伝統音楽」の概要を参照ください。
- 旋律とラーガ、楽器のページへのリンク