方式主義と無方式主義とは? わかりやすく解説

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方式主義と無方式主義(ほうしきしゅぎとむほうしきしゅぎ)


方式主義”とは、著作物著作権による保護を受けるためには、方式的な要件が必要であるとする主義をいい、“無方式主義”とは、著作物著作権による保護を受けるためには、なんら所定方式備えていなくても保護されるとする主義をいう。前者は、たとえば、C表示著作物の登録などが要求される。これに対して後者いかなる表示要求されない日本後者採用している。


方式主義と無方式主義

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 02:21 UTC 版)

著作権表示」の記事における「方式主義と無方式主義」の解説

著作権の発生要件については方式主義と無方式主義の二つ法制存在する方式主義 著作権の発生要件について、登録、納入著作権表示など一定の方式備えることを要件とする法制をいう。 無方式主義 著作物創作され時点何ら方式を必要とせず著作権の発生認め法制をいう。 18世紀から19世紀にかけて著作権法律保護する国が増えたものの、19世紀半ばになって著作権保護法律持たない国もありイギリスフランスなどの作家書いた作品複製による被害こうむっていた。各国相互主義のもと互いに相手方国民著作権保護する二国間条約締結して解決図ろうとした。しかし、二国間条約では締約国以外には効力及ばず各国法律で登録などの著作権保護要件定めていたため現実著作権取得することは難しく実効性乏しいものだった。そこでスイス政府など主導のもと1886年ベルヌ条約文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約)が締結された。 ベルヌ条約適用については1908年ベルリンでの改正条約によって無方式主義採用された。ベルヌ条約内国民待遇定めているため、加盟国は他の加盟国著作物も、自国著作物同様に無方式主義保護しなければならない一方アメリカ合衆国中南米諸国などのいくつかの国は方式主義を採り、ブエノスアイレス条約締結して加盟国間で方式主義による著作権保護行っていた。 こうして、著作権国際的な保護について世界二つ陣営並立国際的な著作権保護支障来していた。そこで1952年万国著作権条約締結され無方式主義を採る国における著作物方式主義を採る国でも著作権保護を得ることができるよう、氏名最初発行年、©のマーク3つ著作権表示として明示すれば自動的に著作権保護を受けることができるとした。万国著作権条約3条1項により、加盟国間ならば、無方式主義国で作られ著作物方式主義国内では著作権表示方式みなされ著作権表示があれば保護されるようになったまた、万国著作権条約内国民待遇定めているので、方式主義国で作られ著作物無方式主義国で保護を受けるには著作権表示必要なく、加盟国間ならば自国著作物同様に無方式主義に基づき保護されることとなった。 なお、ベルヌ条約万国著作権条約双方加盟している場合には万国著作権条約17条によりベルヌ条約優先する1979年アメリカ合衆国ベルヌ条約加盟したのち、グアテマラなどの中南米諸国次々とベルヌ条約加盟するなど各国無方式主義への転換進んだ2019年時点では、ベルヌ条約締結せず、万国著作権条約のみを締結している国はカンボジアだけとなっている。ただし、カンボジア2004年WTO加盟しており、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定TRIPS協定)9条1項規定により、無方式主義定めたベルヌ条約5条遵守義務負っており、実質的に無方式主義移行している。

※この「方式主義と無方式主義」の解説は、「著作権表示」の解説の一部です。
「方式主義と無方式主義」を含む「著作権表示」の記事については、「著作権表示」の概要を参照ください。

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