新馬戦勝利からヒヤシンスステークス前まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/06 20:42 UTC 版)
「スシトレイン」の記事における「新馬戦勝利からヒヤシンスステークス前まで」の解説
新馬戦勝利後、騎手の菊沢は本馬のレース運びのセンスを褒め、「もっと良くなりますよ」と述べた。反面「ノド鳴りではないけれど、気管がゴロゴロするところがある」とも指摘していた。 『競馬エイト』紙は、新馬戦の中山競馬場ダートコース1800メートルでスシトレインの記録した1分56秒1というタイムが、同じ週に同コース・同距離で行われた古馬の500万円以下のレースと同タイムであり、古馬の1000万円以下のレースと比べても0.5秒しか違わないことを指摘して、「単純な時計の比較からも、同馬の能力の高さがわかる」と評価した。同じく『スポーツニッポン』紙も、これらのタイムを比較して本馬を「超特急」と形容し「破格の速さ。3歳馬とは思えない完成度」と評価した。また『馬三郎』紙も、同様の観点から「非常に優秀」「先々は大きなところを狙える器」と評した。 2戦目の黒竹賞勝利後、調教師の二ノ宮は本馬について、大柄な馬格ながら「バランスが実にいい。脚もしっかりしている」「古馬なみのエンジン」とも述べていた。同じ頃に馬主の渡邊は「米国の至宝とも言える名牝系」「滅多に外部に出ることのない、すばらしい血統の馬」「門外不出といわれた血統の馬」 と、本馬の血統背景を絶賛した。 黒竹賞に勝利して2連勝となった時点で、本馬は競馬関係者から高い評価を受けた。競馬実況アナウンサーの長岡一也はnetkeibaのコラムで、黒竹賞でのスシトレインを「余りにも強い勝ち方」と評した。『競馬フォーラム』誌競馬記者(当時。後に東京スポーツに移籍)の立川敬太は「黒竹賞のスシトレインについては多くを語る必要がないだろう。現時点では、時計だとか馬体だとかの話とは次元の違うところにいる。次走が(芝コースで行われる)共同通信杯だろうとどこだろうと、ありのままの強さを素直に感じればそれでいい」と手放しで絶賛した。 この時点でスシトレインは重賞レースに出走したことすらなかったが、先述の通り、全日本2歳優駿を既に勝っていたユートピアと共にUAEダービー(GII)に招待された。さらにアメリカ遠征の計画が明らかになると、『サラブレ』誌や『週刊Gallop』誌でカラーページの特集記事が組まれた。このうちサラブレ誌の記事は、馬主の渡邊や調教師の二ノ宮の談話に加えて、スシトレインの血統背景や近親の活躍馬なども詳しく紹介しており、サラブレ誌編集部の評価として「ズバ抜けた能力」「その素質の高さは底知れないものを感じさせる」と記している。そして記事は「もしかしたら、日本のダート競馬以上に、米国競馬に適性があるかもしれない。今回の遠征は大いに期待できるのではないだろうか」と締めくくられている。また週刊Gallop誌の記事は、「あのエルコンドルパサーと同じチームでのプロジェクトだけに、期待は高まる」と述べ、記事の最後でも「大きな期待がかかるプランと言えるだろう」と改めて期待を寄せている。報道は日本国内に止まらず、アメリカのブラッド・ホース誌のウェブサイトでもスシトレインのアメリカ遠征計画が取り上げられた。 競馬記者の古谷剛彦はヒヤシンスステークスの直前、競馬情報サイトJRDBのコラムで、上述の「ノドがゴロゴロする」という菊沢のコメントに注目して、DDSP(軟口蓋背方変位)の疑いがあると述べた。ただし古谷はヒヤシンスステークスについて、本馬が「普通に走れば関西馬でも怖くはない」とも予想していた。
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