料金徴収所での謀殺とカージャック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 14:01 UTC 版)
「ポートアーサー事件」の記事における「料金徴収所での謀殺とカージャック」の解説
ブライアントはそれから戻って車に乗り込み、駐車場を去った。目撃者は、彼は車を走らせながらクラクションを鳴らし、車体は揺れていたと言う。ブライアントはジェッティ・ロードを通って料金徴収所へ車を走らせた。そこでは人々が走って逃げていた。この時ブライアントは少なくとも2人の人間の横を通り過ぎた。彼の前方にはナネット・ミカクと彼女の子マデリン(3歳)とアラナ(6歳)がいた。ナネッタはマデリンを抱き運んでいるところで、アラナは少し先を走っているところであった。この時点までに彼らはすでに駐車場から約600メートル (660 yd)走っていた。ブライアントはドアをあけ、減速した。ミカクは、この車は逃げる手助けをしようとしてくれたのだと考えたのか、車のほうへ移動した。数人が道路のへりからこれを目撃し、その内の誰かが彼が車の運転手が銃撃の犯人だと気づき、「あいつだ!」("It's him!")とわめいた。ブライアントは車から踏み出し、ナネット・マイクの肩に手を置き、膝まずくように命じた。彼女は「おねがいこの子たちに手を出さないで」("Please don't hurt my babies")と言いながら命令に従った。ブライアントは彼女のこめかみを撃ち、彼女を殺した。つぎに、彼はマデリンをねらって発砲し、まずは肩を撃ち、それから胸を撃ち、銃弾は貫通してマデリンは命を落とした。ブライアントはアラナーをねらって2回発砲したが、彼女は樹のうしろに走ったため当たらなかった。彼はそれから歩みより、銃身を彼女の首に押しつけ、発砲し、アラナーは即死した。ブライアントは茂みに隠れている数人をねらって発砲したが、はずした。子供たちが殺されたのを見て、数人は道路をさらに走り始めた。彼らは道路を下りてくる車の運転者らに戻るように命じた。人々は、ブライアントは道路を上るだろうと考え、車に戻るかわりに彼らは徒歩で泥の側道をくだりつづけ、茂みに隠れた。何台かの車が道路を逆走し、料金徴収所に向かった。ブライアントは料金徴収所に車を走らせると、そこには数台の車があり、メアリー・ローズ・ニクソン所有の1980年BMW7シリーズの通路を阻んだ。中には、所有者のニクソン、運転していたラッセル・ジェームズ・ポラード、乗客ヘレネ・サルツマンとロバート・グラハム・サルツマンがいた。ロバート・サルツマンとの口論がつづいておこり、ブライアントはライフルを取り出し、サルツマンを至近距離で撃ち殺した。ポラードはBMWから降り、ブライアントのほうへ行き、ブライアントは彼の胸部を撃って殺した。他の多くの車がそれから到着したが、場景が見え、運転手らはすばやく道路を後退することができた。ブライアントはそれからBMWに移動し、ニクソンとヘレネ・サルツマンを車から引き出し、彼らを撃って殺し、遺体を道路にひきずった。ブライアントは弾薬、手錠複数、AR-15ライフル1丁、BMWの燃料コンテナ1つを移動させた。メアリー・ニクソン、ラッセル・ポラード、ヘレネ・サルツマンそしてロバート・サルツマンは、ブライアントが料金徴収所で殺害した被害者として訴訟時に名前の挙がった人々である。別の車がそれから料金徴収所のほうへ来て、ブライアントはそれをねらって発砲した。運転していたグラハム・サザランドは、眼鏡を撃たれた。2発目の弾丸は運転席のドアに当たった。サザランドはすばやく道路を後退し、去った。ブライアントはそれからBMWに乗り込み、USAS-12と何百もの弾薬をふくむボルボ240を後に残した。この時点で、ブライアントはすでに33人を殺し、19人を負傷させていた。
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