敬語の国際比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/28 20:01 UTC 版)
日本語などでは複雑に体系化されているが、ヨーロッパ近代語では日本語などほど体系的には使われていない。 ヨーロッパ近代語に敬語があるかないかは敬語の定義次第である。敬語を広く「人物間の上下関係や親疎関係を反映した言語表現」と定義すれば、ヨーロッパ近代語にも以下のような例がある。英語で丁寧な命令文にpleaseを付ける例を始め、学校で生徒が教師に、軍隊で兵士が上官に対する応答の文末にsir/madam(ma'am)を付ける例、2人称代名詞の敬称(動詞の活用も3人称など本来の二人称形と異なる形を用いる)が存在する。英語の二人称代名詞であるyouも、もともとは敬称であった。英語話者が、家族であろうと親しい友人であろうと、常に本来敬称であったyouのみを使うようになったためにyouが敬称としての意味を失い、敬称でない(親称の)thouが忘れ去られるに至った。 日本のような尊敬語、謙譲語とすると、英語にはない。それは英語に形容動詞やサ行変格活用が存在しないのと同じである。 親称であるthouは、キリスト教での神への呼びかけ、散文、説教、あるいは方言的に親が子に対し、あるいは親しい者同士で用いる。 ドイツ語でキリスト教の神には、敬称のSieではなく親称のduを使うが、それは身近な存在だからであると考えられる。この場合、親しみと尊敬は同居できる。 対して、日本語の敬語は、親しみが減っている場合の表現でもある。 ペルシャ語ではインド・ヨーロッパ言語としての代名詞TU(非公式)とShoma(シングルとも二人の複数のために単独で使用される二人のより正式な形で)名前Shomaが実際に現代ペルシャ語であることを除いて、T-Vパターンに合う旧アベスタンペルシャ語のshê-Vaに由来する。VaまたはVeは二人称シングルのより正式な形式として使用され、二人称複数形およびshêにも単独で使用される。したがって、 shê-Vaという言葉は、2人目の男性の独身の正式な形式を指すために使用され、2人目の男性の複数形にも単独で使用されていた。
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