敬虔な王
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/08 07:19 UTC 版)
「フィリップ4世 (フランス王)」の記事における「敬虔な王」の解説
ボニファティウス8世との確執やテンプル騎士団の解散をめぐる醜聞から、目的のためには手段を選ばない合理主義者のように見なされがちであるが、個人的にはきわめて敬虔なキリスト教徒であり、祖父ルイ9世の列聖に尽力し、十字軍による聖地奪回を夢見ていた。晩年になって王妃ジャンヌが死去したのちは巡礼におもむき、断食の苦行をおこない、また、修道院をいくつも建立している。 フィリップ4世にあっては、稀に見る傲慢さと稀に見る敬虔さとが同居している。一見互いに矛盾しているようにみえる2つの性格は、フランスこそがキリスト教圏の中心に位置し、フランス王こそがヨーロッパ諸王のなかで最も敬虔なキリスト者であるという確信によって結びついていた。このような論理に立脚すれば、フランスに奉仕すること、王に忠勤を尽くすことが、とりもなおさずカトリック教会を守り、キリスト教を守護していくことにほかならない。そのためには、たとえ相手がローマ教皇であろうと戦うことをためらわない。ボニファティウス8世は、前任のローマ教皇ケレスティヌス5世を暗殺したとも一部で伝えられており、その正統性には疑問がもたれていたのである。
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