教会地区と教派構成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/04 06:06 UTC 版)
「ラインラント福音主義教会」の記事における「教会地区と教派構成」の解説
ラインラント福音主義教会の教会地区数は37である(2019年1月時点) 。1960年代初めに比べると教会地区数は減少している。しかしながら、ラインラントとルール地方の人口密集地域にあった規模の大きな教会地区は分割されたため、一時的に数を増やした。数年来、隣接する教会地区が統合され、教会地区数が減少するという逆の傾向が認められる。教会地区の境界線はその地域の歴史に由来しており、地方行政上の郡と独立市の境界と常に一致しているわけではない。行政上の自治体統合や境界変更が戦後頻繁におこなわれているが、州教会側が即応する場合はあまりなく、あくまでも従来からの境界線を維持する傾向が強い。 教会地区には複数の地域教会共同体が属している。教会地区内の教会共同体信仰告白は合同教会としてのラインラント福音主義教会の特徴が示されている。教憲前文Ⅱ項によると、ラインラント福音主義教会に属する教会共同体はルター派か改革派信仰告白か、あるいは両教派の信仰告白をまとめた合同派信仰告白に従っている。 教会共同体には複数の地域教会が含まれる場合が多いが、同じ信仰告白で統一されている場合と地域教会ごとに信仰告白が異なる場合もある。ルター派と改革派の地域教会が自派の信仰告白を保持しながら、一つの教会共同体を形成して併存している場合も珍しくない。合同派としてルター派と改革派の信仰告白を一つにまとめている教会共同体は主日の聖餐礼拝をルター派でおこない、夕礼拝を改革派様式の説教礼拝でおこなうことも多い。ラインラント福音主義教会は相互聖餐が完全に実施されており、ルター派、改革派の信徒は自派以外の聖餐礼拝に出席した場合も聖餐を受けることができる。 ラインラント地方は、ルター派ではなく、改革派教会の強い影響力によって宗教改革が導入されたドイツでも稀有な地域である。とりわけ、デュースブルクやメールスが含まれているニーダーライン地域はその傾向が強く、現在でも福音主義教会の多くが改革派教会である。ラインラント地方一帯は19世紀にプロイセン王国に併合されたが、この地域に転属したプロイセンの官僚や軍将校、ギムナジウム教師たちの多くはプロイセン福音主義教会のルター派信徒であった。彼らの信仰生活のために、ローマ・カトリック教会と改革派教会が支配的だったラインラント地方に、ルター派教会共同体が割り込むような形で設立された。宗教改革の影響をあまり受けなかったケルン周辺部、ボン、モーゼル川流域、トリーア、ザール地方等にもプロイセン王国併合後にルター派教会共同体が数多く設立された。 1850年頃から当時ドイツ領であった東プロイセン、西プロイセン、シレジア、ポーゼンの住民が工業化の進んだドイツ西部のライン地方やルール地方へ移住し始めた。この人口移動はオストフルフトと呼ばれるが、これによってエッセンやレバークーゼン等のルール地方の工業地帯にもルター派教会共同体が多く設立された。 37の教会地区とそこに含まれる教会共同体は以下の様に構成されている。 アーヘン教会地区 –(ルター派2、ルター派+改革派2、合同派5) アン・デア・アガー教会地区(グンマースバッハ) –(ルター派18、改革派4、ルター派+改革派2、合同派1) アルテンキルヒェン教会地区 –(ルター派8、合同派8) ボン教会地区 –(ルター派12) ディンスラーケン教会地区 –(ルター派5、ルター派+改革派3) デュッセルドルフ教会地区 –(ルター派3、ルター派+改革派7、合同派7、ルター派+合同派1) デュッセルドルフ=メットマン郡教会地区 –(ルター派1、改革派3、ルター派+改革派1、合同派5) デュースブルク教会地区 –(改革派5、ルター派+改革派2、ルター派+改革派+合同派2、合同派6) エッセン教会地区 –(ルター派14、改革派2、ルター派+改革派7、合同派4) メンヒェングラートバッハ教会地区 –(ルター派2、改革派15、合同派6) バート・ゴーデスベルク=フォアアイフェル教会地区 –(ルター派9、合同派3) ユーリッヒ教会地区 –(ルター派2、改革派5、ルター派+改革派1、合同派11) クレーヴェ教会地区 –(ルター派2、改革派5、合同派12) コブレンツ教会地区 –(ルター派16、改革派3、ルター派+改革派1、合同派4) ケルン -中央教会地区-(ルター派5、合同派1) ケルン-北教会地区-(ルター派15、改革派2) ケルン-ライン右岸教会地区- (ルター派8、合同派10) ケルン-南教会地区-(ルター派14、改革派2) クレーフェルト-フィーアゼン教会地区 –(ルター派5、合同派6、ルター派+改革派2、合同派13) ラーン=ディル郡教会地区–(ルター派20、改革派28、合同派2) レンネップ教会地区(レムシャイト) –(ルター派8、改革派2、ルター派+改革派1、合同派4、ルター派教会共同体1、改革派教会共同体1) レバークーゼン教会地区-(ルター派10、ルター派+改革派1、ルター派+合同派1) メールス教会地区-(ルター派1、改革派27) ナーエ・ウント・グラン教会地区-(バート・クロイツナハ)-(ルター派14、改革派1,合同派13) ニーダーベルク教会地区(フェルバート)–(改革派1、合同派6、改革派教会共同体3) オーベレ・ナーエ教会地区(イダー=オーバーシュタイン)–(ルター派34、ルター派+改革派2、合同派1) オーバーハウゼン教会地区 –(ルター派4、改革派1、合同派3) ミュールハイム・アン・デア・ルール教会地区-(改革派2、ルター派+改革派1、合同派3) ザール東教会地区(オットヴァイラー) –(ルター派13、改革派1) ザール西教会地区(ザールブリュッケン) –(ルター派26) アン・ジーク・ウント・ライン教会地区(ジークブルク) -ルター派13、改革派1、ルター派+改革派4、合同派14、ルター派+合同派1) ジンメン=トラーバッハ教会地区(キルヒベルク ) –(ルター派11、改革派11、合同派3) ゾーリンゲン教会地区-(ルター派3、ルター派+改革派6、合同派1) トリーア教会地区-(ルター派13、ルター派+改革派3、合同派3) ヴェーゼル郡教会地区-(ルター派2、ルター派+改革派1、合同派8) ヴィート教会地区( ノイヴィート) –(ルター派2、改革派11、ルター派+改革派1、合同派1) ヴッパータール教会地区-(ルター派2、改革派2、ルター派+改革派8、合同派4、ルター派+合同派1、改革派教会共同体1) ケルン教会地区は以前ミュールハイム・アム・ライン教会地区会議と呼ばれた大きな地域ブロックに属していた。現在、ケルン地区の福音主義教会は4つの教会地区に分かれているが、ケルン福音主義教会連盟を形成し共通の宣教課題を担っている。
※この「教会地区と教派構成」の解説は、「ラインラント福音主義教会」の解説の一部です。
「教会地区と教派構成」を含む「ラインラント福音主義教会」の記事については、「ラインラント福音主義教会」の概要を参照ください。
- 教会地区と教派構成のページへのリンク