撮影の経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/03 04:14 UTC 版)
「ザプルーダー・フィルム」の記事における「撮影の経緯」の解説
暗殺事件発生日の午後12:30(中部標準時)、ダラスで婦人服メーカーを経営していたザプルーダーは、大統領の車列をエルム通り(暗殺発生現場)に面したコンクリート製のパーゴラの一番西側の端の上に立って撮影していた。姿勢を安定させるため、会社の受付係の女性社員が背後から彼を支えていた。フィルムは、大統領の車列がヒューストン通りから角を曲がってエルム通りに入るところから、鉄道の陸橋下に入って消えるまでの姿を捉えている。このフィルムの資料的価値を高めているのは、ケネディ大統領が頭部に致命的な銃撃を受けた瞬間を記録していることである。大統領が頭部に銃撃を受けた時、大統領の乗ったリムジンは丁度ザプルーダーの撮影場所のほぼ正面(ザプルーダーの視線からはやや下方)に位置しており、フィルムには銃撃を受けた瞬間の大統領の姿をはっきりと映している。 ザプルーダーが撮影時使用していたのは、ベル&ハウエルの414 PD式8ミリカメラ「ズーマチック(Zoomatic)」で、使用フィルムはコダックの安全フィルム「コダクロームII 8(1コマ縦横8 mm)」であった。後にFBIがこのカメラを調べたところ、フィルムの撮影速度は平均毎秒18.3フレームであった。大統領の車列の模様が撮影されているのは全体で486フレーム、26.6秒で、その内大統領の乗ったリムジンは343フレーム、18.7秒間映っていた。 ザプルーダー・フィルムはウォーレン委員会をはじめ、全ての暗殺事件捜査機関により調査された。委員会はこのフィルムの一部フレームをモノクロ写真にプリントし、証拠物件として取り上げた(ウォーレン委員会の証拠物件第18巻の885)ほか、様々な雑誌、映画にフィルムの一部が使用された。インターネットでは下のサイトでフィルムの閲覧が可能である。 Zapruder Film of JFK Assassination - YouTube Flash Player が必要。 www.jfkmurdersolved.com QuickTimeが必要。ダウンロードするとフィルムの一部を自動で繰り返し再生する。再生速度は実際の映写速度より遅い。 assassinationscience.com QuickTimeが必要。ブレの多いもとのフィルムの画像を加工、修正したもの6つと、それらを基により安定した画質で大統領のリムジンに焦点を合わせた画像1つを閲覧聴可能(研究用、ファイルサイズ大) ザプルーダー・フィルムの全486コマの画像 特別なソフトなしで視聴可能だが動画形式ではなく静止画。 assassinationresearch.com 上と同じ静止画による全コマの画像。1つずつコマを進めて見るにはこちらの方が便利。 1994年にザプルーダー・フィルムは「文化的に重要である」として、アメリカ議会図書館によりアメリカ国立フィルム登録簿に登録され、永久に保存されることとなった。
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